2023年の読書目標、雑誌、教養本、物語を合わせて300冊と多めに設定。 ツイッターで読んだ本のひとこと感想を書いていたのですが、何年かで消えてしまうことを知り、後で探せるようにとこちらを利用することにしました。 文字数が多くなれば書評になるようですが、そんな高尚なものではなく、ほぼほぼ自分のための覚書です。
@fujiyukihanaマッカからマディーナへのムスリムへの移住がヒジュラ歴のはじまり。その歴は文中でしばしば西洋歴と併記される。 彼らの運命の真の転換点であるムハンマドに啓示が下された10年後。 内容は、まったく知らなかったイスラームからムスリムの信仰をめぐる考え方の闘争と、社会のあり方、モンゴルやヨーロッパの侵略の歴史。 9.11の報復まで。 それぞれ自分の属する社会の物語でしかみれない文明が、交錯してしまったがために悲惨な軋轢が生じている。 なぜ産業革命が中国やイスラーム社会では起こらずヨーロッパで起こったかの分析は必読かも。 誰かが世界はこうなのに、というとき、あなたのいう世界ってどこの国を言っているのですか?といいたくなる本。 開国し明治維新を経て、列強に負けない富国強兵をめざした日本の憧れ、西欧諸国への幻想がこなごなに砕かれ、警戒心がわくこと必須。 他者や他国、他民族、など自分たちとは異なる人と関わるとき、彼ら自身の歴史を学び、背景を知ることが大事だと理解する。 残虐な虐殺行為が人間の歴史について回るのが、本当に悲しい。
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性教育 射精道に タブーなし 射精道 追及するに 年齢なし ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー いきなりすみません。 「射精道」(今井伸 2022年9月初版)を読みました。 新渡戸稲造の「武士道」になぞらえ、人生の時期ごとの心得と実践を指導してくれるあらゆる男性のための手引書です。 タイトルから惹かれて手に取ったのですが、内容は泌尿器科の先生が書かれているだけあって、主張のしどころが端的でした。 性発達には早い子遅い子がいるけれど、早い子に合わせるべきというのも納得です。 正しく、刀を扱うには、はじめが大事で、正しい知識が必要で、日日の鍛錬が必要なのです。 刀を持って生まれた身、凶器を振り回すことにならないように、この本を読んで精進してほしいです。 少子化問題、生殖医療費削減、無知と間違ったやり方の結果の射精障害防止、男性機能向上、前立腺ガン予防、犯罪抑止効果ありの射精道。 「廃用性委縮」(使用しないものは衰える)そうです。 思春期の始まりから正しい知識で正しく使えるようになるための本です。 ぜひ学校教育にとりいれてほしいなあと思いました。
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知識があればそれだけ世界を見る解像度があがる。今日できることは明日に伸ばそう。絶望や怒りや諦めることを。 ちりばめられた叡知に、何度も己を振り返りました。 韓国人の方の本を恥ずかしながら一度も手にしたことがなかったので、世界最高の教養と帯にあったこともあり、とても興味がありました。 進め方は、学生に語りかける授業を一緒になって受けている気持ちになります。 毎回導入は、心をつかむところからで、こんな授業があればいいのにな、と思いました。 ラテン語はまったく学んだことはありませんが、とても難しいものだということは伝わり、実用で英語を子供の頃から学ぶのもいいけれど、日本人は何年も英語を学んでも帰国子女や留学経験がない限りなかなか英語が話せないのが多くの実感だと思うので、薄っぺらい日常会話を練習するより、いっそのこと、多言語が簡単に思えるようになる、ラテン語を学生のうちに学ぶのがいいのではと感じました。 ラテン語は、哲学やもとになるサンスクリット語や宗教などに広がり、そして難解な言語なので、他の言語が簡単に感じるというおまけがつきます。 ただし、やはり難解なので、本当に勉強しないといけません。 読後は、遠く旅した気持ちになりました。 ところどころ、自分のアイデンティティが日本人だと意識するところもありました。 それとひとつ発見が。 チベットの壮大な幻想物語のケサル大王のケサルがカエサルのラテン語読みだと知り、なにか繋がりがあるのかなと、興味深く思いました。
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この本を手に取ったのは、梅棹忠夫さんのカード式もいいけれど、メモの取り方は学校で習わず、かつ非常に重要なことなのだとも思うので、メモの取り方の勉強をしたいな、と思っていたところから。 特に、読書したときのメモの取り方などを参考になればと思っていましたが、もっと広くカバーしておりました。 個人的には、本のタイトルを考えるとか、読者に届くキャッチフレーズを考えるとか、何を伝えたいのかとか、他ではない自分らしさを加えられないのかとか、物語の内容、構成、アイデアなどを考える上で、とても参考になりそうです。 情報収集のT字型(縦、専門性。横、教養)の考えは、自分らしさの原点、日々を過ごす上で頭に置いておきたいです。 メモする内容のポイント四つや、不満、不平の不を集めるや、八つの課題や、打ち手の四つ視点や、マーク&コネクト法、三位一体のキーワード抽出など、ノートにメモしておきたいこといっぱいでした♪ コクヨのアイデア商品をからめて説明してくれるのも良かったです。
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現在は未来から見た過去になる。 現在を理解するには過去を学ぶ必要がある。そして、別の文化の人たちを理解するには、自分達以外の視点から、想像できなければならない。 そのためには、人々が共通認識としてもつ「物語」を理解しなければならない。 物語は生活環境に大きく影響され、それはその物語を理解するものたちに世代を超えて引き継がれていく。 別々の物語に生きるものたちが、互いに影響をしあいながら、それが世界全体に広がり摩擦をうむ状況につながるのがよく理解できる。 中国の中華思想、インドの多様性を尊ぶ姿勢にカーストがあるわけ、イスラムに西洋式の家庭生活を拒否し、西洋式の教育を拒否し、西洋式の親戚付き合いを拒否し、性のジェンダーに関する西洋の規範を拒絶するに至る理由がよくわかる。 コロンブスを支援したスペインや、いち早くアメリカ大陸に支配権を持ったポルトガルが、現在経済的にふるわない理由も。 世界で起こったことは、すべてが繋がっている。 世界史を学ぶ意味がよくわかった。 「彼ら」の数だけ、信じる歴史がある。 まさか、最後泣けるとは思わなかった。 誰もが読んで欲しい本。
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西欧とのからみで日本人の生活やごみ事情、コレラ等の感染症などに大きく関与し、個人のレベルでは対処できない、リサイクル不可なごみ事情を産み出した、ってことかな? 日本国でなんとか循環していたものが、西欧からの圧力でバランスを壊して日本国なりにうまく調整するところまでできていないのを感じる。 それにしても、リサイクルをしていた女性たちのこまやかさに脱帽。 大事にする精神が感じられるけれど、捨てる側のマナーがなっていないところが残念でした。 貧困者のたくましさが、廃物を購入するものたちに見て取れた。 また、リサイクルやものを大事にの精神が、家庭に押し付けられているところがあって残念。 システムとしてきちんとしないと、エコごっこに終わる。 ごみや屎尿、汚泥を利用したバイオガスは西欧の技術を持ち込むことになったけれど、再エネに期待します。 コラムはとても読みやすい。 古着のボロが西欧では洋紙にリサイクルされているとはしりませんでした。 いまの、素材混ではどうなんでしょう。 後半は駆け足で読み飛ばしました。 重複しているところも多かったような。現在のごみ事情のご提案などあればよかったのかなあ???
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はじめは教科書のようと思いながら。 ラッコから生態系をにぎるキーストーン種の存在を知る。 豊かになるための人間活動の悪循環に、温暖化をCO2の20倍に加速させるメタンハイドレートの話。 使い捨てのオムツの歴史と廃棄の問題は、環境を考えるうえで大事で、気軽に使って捨てるものではないと知る。 ダイアパーサービスは2022年の現在、環境の本で紹介されたのを読んだことはあるけ ど、まだ広く一般化されていないのでは? 書かれたのが2011年。 すでに原子力の生物全体に与える影響と、廃棄物の問題をとりあげ、原子力はクリーンなエネルギーではないと主張する。 そして、どきりとしたのは以下のくだり。 20年初頭に「もはや戦争など起こらない」と思い、人類は発展、進歩、自然の制約を乗り越えて人口も経済も工業も発展し続ける気分にひたっていた。 そして、「戦争は経済的な損失額が大きくコストがかかりすぎるから、どの国も戦争をしたがらないはず」と思い込む。 そんなとき、そんな、思い込みを一蹴する第一次世界大戦が勃発する。 そのくだりは2022年に始まる、ロシアとウクライナの侵攻前の、楽観視に重なる。 人間の遺伝子に組み込まれた残虐性から脱却する救いはあるのか。 まさか、ここで、天台宗の10界がでてくるとは思いませんでした。 戦の状況は、修羅界です。 大多数の人はこのあたりをうろうろしております。 人の脳に組み込まれた祈りの神経回路。 自然に対する畏怖、感謝を持ち祈る、宗教教育が必要。深い! 困難をきわめるとは思いますが、解決の道筋が照らされておりました。
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気候変動、環境汚染に対応するには個人のエシカルな努力では到底足りない。脱資本主義、脱経済至上主義、自分のため、家族との時間がない長時間(8時間)労働者を変えないと、人の終わりは見えている。 気候変動の問題を子供たちが取り組むのを賞賛するだけでは、大人の責任放棄。 責任を子供たちに押し付けず、子供たちよりも責任が重いはずの壮年世代、高齢世代は率先して取り組まねばならないという意見に、心底そう思う。 他国の意識と日本の意識レベルの違いとか、数値で挙げられているところの数字を見ると、えてして日本はのんびりしていて、気候変動に対する切迫感の違いを感じる。 多方面にわたる問題提起は非常に勉強になる。 エコバックや電気自動車、生ごみコンポストでした気持ちになっているけれど、個人で取り組むところは本当にわずか。国や地方公共団体が率先して取り組めば、改善の規模は大きい。 狩猟採集民族は4時間の労働であとはのんびり。 農耕社会になってから長時間労働になったという。 このまま、大量生産大量消費するために、長時間労働を行い、家族と共に過ごしたり趣味に浸ったりする時間がないままに追い立てられて生きるのか。 後世になれば、戦後の今を生きる私たちはどのように定義されるのだろう。 自分たちのことを自分たち自身で何もできなくなり、巨大企業の利益を生むために飼いならされているのに気が付かずに、地球環境を壊滅的なまでに汚染した時代と言われるのだろう。 本気で取り組むのならば、誕生から死ぬところまで、途方もないプロジェクトになる。 そうして、環境負荷があまりかからない小さくまとまった循環型社会のなかでは、2022年の今のままの生活はできないし、このまま人だけが移ればきっと何もできない烏合の衆となる。 江戸から明治、戦後と意識の変化、環境の変化があったように、何かの区切りで、激変するのだろうか。 既に見ないようにしているだけで、皆、これではいけないとはわかってる。 だけど、踏み切れない理由がたくさんある。 ターニングポイントが、統合されていった世界を、今度は個々バラバラに分断するような、第三次世界大戦でないことを切に願う。 もしくは、それぐらいの、他国からエネルギーが入らない、物資が入らない、何もかもが自分たちで手に入れたりしなければどうしようもない、という状況にならないと、筆者が描くような社会の方向へは舵をきれないのではないだろうか。 そう思うと、暗澹たる気持ちになる。 願わくば、わたしたちが地球に幸せに生きる生命であるというあたりまえのところから、変化が起こりますように。 いろいろ思うところを刺激する問題提起の本です。
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運動のインスリン感受性改善効果は48時間続く。なので運動は2日以上空けない。 寒いときに脂肪を燃焼させる褐色脂肪はこれからの季節に意識するのがいいのね。褐色脂肪はエネルギーを、2倍とか3倍とかではなく、300倍燃焼させるそう。すごい。。。 インシュリンが効き目がなぜ悪くなるのかとか、とにかく詳しい。 一般的に考えられている常識を、そうではないよと論破する。 血糖が高めが気になる境界型の糖尿病や、ストレスフルな生活を送っている人や、ダイエットが必要な人とか、運動不足が気になる人に、生活改善する必要があると認識するために、もっと広く読まれてもいいかなと。 自粛が終わっているのに活動的になれないと、糖尿病予備軍が増加していくように思える。(反省) これ一冊で知識、食事、運動、睡眠、ストレス対処法、実践プログラムと、今後の一生に関わる全てがつまる。 後半の、11項目に着目した12週間リセットプログラムが丁寧なので、この本手元に置こうと思います。 病院ではここまで丁寧にみてもらせません!!
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都会の食料を供給するために人糞尿を巧みに利用して下肥利用していたかつての日本。 現在欧州各国では人糞尿を農業に利用することを、非常に重要な政策として進められているという。 シアトルでの生ごみリサイクルの仕組みの紹介も参考にしたい。 翻って、自分のごみ事情がどうなのか、反省する。 下水道は資源の宝庫としてBISUTRO下水道として鶴岡市、山形大学農学部、JA鶴岡、他に民間企業が入って連携し、循環型の世界が日本でも取り組まれている。 脱水した汚泥ともみ殻を混ぜて高温発酵させて完熟たい肥(つるおかコンポスト)を作ったり、タンク内で発生するガスを電力に変えて、余剰熱をビニールハウスの加温に使い、つるおかコンポストで土を作り野菜を育てているそう。人が食べたり、家畜の飼料としたり。そのほかにもさまざまな取り組みが、糞尿から循環されているのを紹介されていて、多方面に広がる究極の循環型世界に感動しました。 糞尿も大事な資源の一つだと実感。 むだなものはこの閉じられた地球という宇宙船には何もなかったのですね。 災害時にも非常に問題になる糞尿。 阪神淡路大震災の時、水洗トイレは山もりだったという。 災害用糞尿コンポストが開発されて、各家庭に備蓄されればいいなと思う。 手軽に衛生的に再利用できる仕組みを求めております!!!
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熟酒、醇酒、薫酒、爽酒といった鮭の味わうポイントは重要そう。日本の酒の歴史に伊丹や池田がでてきて、その後灘に移るくだりはなるほど。 作り方は写真が豊富でわかりやすい。 基礎知識とはいえ、日本酒について、作り方から一押しの酒を作る全国の酒蔵、管理方法や選定にこだわる販売店まで網羅している。 巻末の用語集もありがたいです。
さっくり読め、全般的な知識を押さえられる。 ベルギーでは800銘柄ほどあり、独自の醸造方法が発達してハーブやスパイス、果物を使ったものなど多様という。ビールはこういうもの、という固定観念が商業目的の大量生産から植え付けられたもので、本来はさまざまなものからできる自由なもののよう。そんな、昔ながらの豊かな味わいを体験してみたい。 行ってみたい。 ビールのグラスの形により、味わいかたがことなるとは、なるほど。提供側の味わってほしいがグラスでわかることを知る。
ストローで酒をのむ習慣が、アジアにもあちこち残っている。口噛みをすることで、唾液のアミラーゼ酵素を使ってでんぷんを糖化するやり方は世界中に残っている。 ヤシの木の樹脂の酒やヤシの実の酒、さまざまなフルーツを使った果実酒など、なんでも人は酒にしてきたんだな。 日本では酒造りは免許制になっているけど、本来は糖と水、野生の酵母があれば簡単に作れるもののよう。 お正月につくった甘酒が、日がたつにつれて発酵し酒っぽくなったところから、興味をもちまして手に取りました。
徳島にコオロギ工場の新聞記事がのっていたので、食料危機を脱する最後の手段かなと思って手に取る。廃棄食材を食べ、糞は堆肥に、幼虫はオイルやたんぱく質に加工できるハエ(BSF)。漢方薬としてゴキブリを大規模大量養殖をする中国は進んでる!? 食するだけでなく、医療や工芸品などにも使われてきた昆虫の歴史から、地球規模の温暖化への対応として有力な一手となる昆虫利用を考える。 ハエやゴキブリ、害虫の見方が確実に変わる。
米、水、麹づくり。 日本酒づくり、深いです。 安価に効率よく大量生産、利益追求の時代から、風土に根差した昔ながらのやり方へ。 生き残りをかけて奮闘する全国の酒蔵の情熱や取り組みを知る。そして、自然のバランスを取り戻す課程も副次的なのに、本質をついているというか。 持続可能で自然に沿った生き方がありました。 本文の上段の、おまけ欄のおつまみや小ネタも良いですね!!納豆かき揚げおつまみ、簡単に作れそうです。
語彙表現は別として、時代背景や登場人物、信仰はとても日本人が書いたとは思えない、陰鬱な不可解さに満ちた物語。 読み進めるにつれて、曇ったガラス越しにみていたような人物たちの姿が明確になっていきました。 この作者さまが、日本の戦時や江戸期の農村の因習にまつわる不可解さなど書かれたら、いったいどんな後ろぐらい物語が紡がれるのか興味があります。
端々にちりばめられた機知にとんだ会話や思慮が面白い。 登場人物たちの性格が等身大で、まじめくんにも、軽薄くんにも、感情移入してしまい、気がつけば一緒になって並走して、辞書作りの舟の中に編み込まれてしまった。 辞書には辞書作りにのめり込むもの者たちの情熱が、紙のぬめりにまで込められていた。 最近は、わたしは電子辞書を愛用している。膨大な時間と労力をかけて、紙のめくり感、紙の色味、透け感にまでこだわった辞書づくりは失われてしまう時代なのだろうけれど、綿々と引き継がれ伝染していく彼らの熱情を、忘れたくないと思う。 途中で新人女子に読まれる、まじめ主任かぐやと虞をかけた悶絶のラブレター、良かった!(笑) 新年一作目から感動しました。
現実を直視するが怖くて現実逃避をするためになにかをせずにはいられないのではないか。人生は有限であり、自分は宇宙に影響をあたえることはないちっぽけな存在だとしることが、今を生きることにつながる。 じたばたしてもしかたがない。 将来のために今を味わうことを意味のないもののように思っている私たちに、立ち止まり、今にとどまることの大事さを教えてくれる本。 資本主義社会でいわゆる成功をおさめている人が、かわいそうに思えてきますよ。
偉大な創業者が築いた資産が、息子や孫の暴挙により騙されたり、失敗したりで散逸する。慎ましやかに生きるとは縁遠い、儲けようとしてかえって億単位で金が消える。。。 始まりがみごとな出世物語であるだけに、欲や裏切り、策謀、おろかさ、あさましさにまみれた衰退もまたみもの。
ワトソンとホームズのような。 イル・モーロはできるヤツなのにそう見えないところがいいな。トリックも当時のの、異国情緒溢れていて、さらきところどころのイタリア語の響きも素敵。 最後、ウエヌスの憂鬱。 あっさりと、いろいろと、騙されてしまいました。。。