さんのコメント2023/01/06

端々にちりばめられた機知にとんだ会話や思慮が面白い。 登場人物たちの性格が等身大で、まじめくんにも、軽薄くんにも、感情移入してしまい、気がつけば一緒になって並走して、辞書作りの舟の中に編み込まれてしまった。 辞書には辞書作りにのめり込むもの者たちの情熱が、紙のぬめりにまで込められていた。 最近は、わたしは電子辞書を愛用している。膨大な時間と労力をかけて、紙のめくり感、紙の色味、透け感にまでこだわった辞書づくりは失われてしまう時代なのだろうけれど、綿々と引き継がれ伝染していく彼らの熱情を、忘れたくないと思う。 途中で新人女子に読まれる、まじめ主任かぐやと虞をかけた悶絶のラブレター、良かった!(笑) 新年一作目から感動しました。

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