藤雪花さんの書評 2022/11/11
知識があればそれだけ世界を見る解像度があがる。今日できることは明日に伸ばそう。絶望や怒りや諦めることを。
ちりばめられた叡知に、何度も己を振り返りました。
韓国人の方の本を恥ずかしながら一度も手にしたことがなかったので、世界最高の教養と帯にあったこともあり、とても興味がありました。
進め方は、学生に語りかける授業を一緒になって受けている気持ちになります。
毎回導入は、心をつかむところからで、こんな授業があればいいのにな、と思いました。
ラテン語はまったく学んだことはありませんが、とても難しいものだということは伝わり、実用で英語を子供の頃から学ぶのもいいけれど、日本人は何年も英語を学んでも帰国子女や留学経験がない限りなかなか英語が話せないのが多くの実感だと思うので、薄っぺらい日常会話を練習するより、いっそのこと、多言語が簡単に思えるようになる、ラテン語を学生のうちに学ぶのがいいのではと感じました。
ラテン語は、哲学やもとになるサンスクリット語や宗教などに広がり、そして難解な言語なので、他の言語が簡単に感じるというおまけがつきます。
ただし、やはり難解なので、本当に勉強しないといけません。
読後は、遠く旅した気持ちになりました。
ところどころ、自分のアイデンティティが日本人だと意識するところもありました。
それとひとつ発見が。
チベットの壮大な幻想物語のケサル大王のケサルがカエサルのラテン語読みだと知り、なにか繋がりがあるのかなと、興味深く思いました。
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