藤雪花さんの書評 2022/11/07 1いいね!
現在は未来から見た過去になる。
現在を理解するには過去を学ぶ必要がある。そして、別の文化の人たちを理解するには、自分達以外の視点から、想像できなければならない。
そのためには、人々が共通認識としてもつ「物語」を理解しなければならない。
物語は生活環境に大きく影響され、それはその物語を理解するものたちに世代を超えて引き継がれていく。
別々の物語に生きるものたちが、互いに影響をしあいながら、それが世界全体に広がり摩擦をうむ状況につながるのがよく理解できる。
中国の中華思想、インドの多様性を尊ぶ姿勢にカーストがあるわけ、イスラムに西洋式の家庭生活を拒否し、西洋式の教育を拒否し、西洋式の親戚付き合いを拒否し、性のジェンダーに関する西洋の規範を拒絶するに至る理由がよくわかる。
コロンブスを支援したスペインや、いち早くアメリカ大陸に支配権を持ったポルトガルが、現在経済的にふるわない理由も。
世界で起こったことは、すべてが繋がっている。
世界史を学ぶ意味がよくわかった。
「彼ら」の数だけ、信じる歴史がある。
まさか、最後泣けるとは思わなかった。
誰もが読んで欲しい本。
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