合計スタンプポイント:538pt
ボーナスポイント
写真ポイント 30pt x 17
2日連続ポイント 3pt x 1
初スタンプポイント 5pt x 1
主人公の宮路。29歳で無職。自称(?)ミュージシャンだがギターも歌もずば抜けて上手いわけではない。しかし親から毎月20万円の仕送りを受けていて生活には困らないので、本気で音楽で食っていこうという気持ちも仕事に就こうという気力もない。大丈夫なのか? この男。 会話の口調は妙に上から目線で、自分勝手な言い分をずけずけ言う。大丈夫なのか?宮路。 しかし老人ホームで無理やり頼まれた買い物の品選びには、やたらと手間暇かけて、当人の好みに合いそうなものをあれこれ悩んでチョイスしたり、面白い本を、と頼まれれば、10冊もの本をまずは自分で読んでから渡す本を決めたり、自分は未経験のウクレレを教えてくれと頼まれたらわざわざウクレレを買って練習してまで教えたり、意外といいところあるではないか宮路。さんざんこきおろされていた水木のばあちゃんの最期の手紙に背中を押されて、人生の時計を前に進めることを決意したはいいが、手あたり次第の求職活動は面接で38連敗。さぞかし世間の荒波と自分の甘さを思い知らされていると思いきや、なぜか妙にポジティブな宮路。 やはり大丈夫なのか? この男!?
この書評がいいと思ったら、押そう! » いいね!
古事記って、因幡の白兎とか海彦・山彦などの有名なエピソードくらいしか知らなくて、通して読んだことはなかったのだけど、物語性のあるお話はところどころに挿話的にあるだけで、あとはひたすら神々や古代天皇の系譜が書き連ねられているのだね。 昔の神々って、体の一部や排出物から次々に子が生まれて、まるで細胞分裂で増殖するアメーバーみたいではないか! 行動も極めて乱暴で、戦を仕掛け、狼藉を働き、殺しを繰り返す。なんとも非道な存在である。 神武天皇以下の天皇の系譜ではさすがにアメーバーから人間に近くなっていくが、一夫多妻制の下、次々と子をなして増殖して、殺し合いを繰り返すというのは同様である。 最後のところは連綿と続く人の名の羅列を惰性で読み流していく感じ。原著者の太安万侶もなんとなく惰性で書き連ねた感じで、最後は唐突に終わった。 池澤氏の序文によると、古事記は天皇家の権威を神話として補強するためのツールとして、持統天皇の命のもとに編纂された極めて政治的な書物だとの解釈。これだけの系譜を調べ上げて書き残すのは当時としては大変な労苦であったろうことは察せられる。そんなもんで最後は安万侶さんも飽きてきてしまったんだろうか? いやはやご苦労様。読んでいる方もちょっと苦行的な読書になってしまった。
この書評がいいと思ったら、押そう! » いいね!
前巻は、隆治が外科医として大きな挫折に直面して終わったことから、次はそこから立て直して一段成長するプロセスに入るのかと思っていたら、まさかまさかの時を遡って医学生時代のエピソード。 このときから隆治は常に悩んでいたのだね。指導医の中にも、田村教授のように厳しいけど尊敬できる医師もいると思えば、人としてどうなんだい!? と思うような人もいるもんだしなぁ。 医学部に入るための厳しい受験を突破しても、一割の人は途中で脱落して医師になれないという現実は、さもありなんとは思うのだが、伊佐のように成績は優秀なのに、6年生の半ばで、「自分には向かない」という理由で辞めてしまう人もいるのかい? おじさん的な考えでは、医師にならなくても、とりあえず資格だけは取っとけばいいのにと思うが、そこは打算を許せぬ若さ故なのかな。 ここで学生時代のエピソードを挟んだということは、次の巻ではひょっとして、伊佐や真子、エミリなどが登場するような展開があるのだろうか?
この書評がいいと思ったら、押そう! » いいね!
最初の章の井村直美、自分の現実にイライラして、友人の伊織を妬んでかなりイタい展開。伊織さん、とてもいい人だと思うんだけどなぁ。そして直美の旦那さんが若い頃立ち寄った喫茶店って、あの虹の岬の喫茶店だよね!! で、次章の今井洋輝の婚約者(のち奥様)のカッキーって、あの昭和堂の柿崎店長じゃぁないですか!! いやぁ幸せになったんですなぁ。よかったよかった。 って、本筋とは別のところで、盛り上がってしまった。 昔、なんだか、気持ちがモヤモヤしているときに、交換日記とか、喫茶店に置いてある自由ノートなどに書かれた、他の人の書いた文に、触発されて気持ちが盛り上がったようなことがありました。水曜日の手紙って、手紙を使った交換日記みたいなものだよね。若い頃の夢って、かなえることのできる人って、ほんの一握りで、ほとんどの人は、どこかで、現実との折り合いをつけてある意味平凡な日々を送っているものだろう。そんなもやもやした気持ちの時に、他人の書いた言葉に少しばかり背中を押されることって確かにあるなぁ
この書評がいいと思ったら、押そう! » いいね!
雨野先生もドクター4年目。大分、頼もしくなってきました。 過酷な多忙ぶりは相変わらずですが、それでも少し余裕が出てきたためか、本作では登場人物のプライベートの場面にも触れられていました。 前作で正式におつきあいを始めたはるかちゃんとの距離も随分と縮まり、実家に一緒に連れて行くまでになり、ほとんど婚約者状態。お墓参りや雨野先生のお母さんとの接し方に、はるかちゃんのやさしさがにじみ出ていて、結構いいカップルになっていますね 先輩の佐藤先生は渡米する恋人から、医師を辞めてついてきてほしいとプロポーズされて悩んでしまう。女性外科医を続けることの難しさにスポットがあたった形。苦い決断をせざるを得なかった佐藤先生にこの先の幸あれと願います。 そして、癌で余命幾許もないのに明るく振る舞う葵ちゃん。アフラックのCMに出演していた山下弘子さんを彷彿します。最期については描かれていませんが、余命を思う存分前向きに生きることができたと信じたいです
この書評がいいと思ったら、押そう! » いいね!
シリーズ第2作 研修医から新人外科医となった雨野隆治の奮闘が続く。 いやはや、本当に外科医の勤務の苛烈さは凄いものだわ。一体、この人たち、一日にどの位眠ることができるのだろう? 今回は、手術の失敗、患者の家族の怒声。患者の死、そして、さらには身内の死に接して、医者として辛い局面を何度も味わうことになる。メンタルの方も相当タフでないと持たないよね。 脇をかためる人物のキャラクターも少しづつ立ち上がってきた。 軽い乗りで要領のいい同期の川村は、治療にあたれば、的確にテキパキとこなす、かなりな有能ぶりを見せるし、新たに研修医として入ってきた凛子ちゃんも、口ぶりは軽薄なお嬢さんっぽいけど、過激な勤務に結構真摯に向き合っているよな。 合コンで知りあったものの、たまにしか逢えないはるかとは、自然消滅かな・・・ と思ったら、おつきあいする仲に発展。この子も、結構男の子を振り回すタイプのわがまま娘かな、と思ったけど、意外と優しい子なのだというのが最後の場面で分かってきた。というか、実ははるかの方が隆治にぞっこんみたいで、この後の展開が気になります。
この書評がいいと思ったら、押そう! » いいね!
自意識過小(過剰ではない)な女の子の成長譚。 麻子はなぜか自分に自信が持てずに一歩も二歩も引いてしまう。 でも本人が思うほどかわいくないわけでもなさそうだし、実は国立大学に入学できるくらいに成績も良いみたいだし、就職活動に出遅れたなどと言いながら大手の商社に入社しているし、そこで発揮する目利きの能力はむしろ抜きんでたものがあるし・・・なんだよ、かなりハイスペックじゃないか! どうも理想の高過ぎる「あるべき姿」を抱えてそこに届かないから「やっぱり私ダメなんだわ」と思い込んでいるだけみたいである。いや、誰だってそんな完璧な人いないんだから。そうかと思うと、足にぴったり合う靴に出会ったとたんにいきなり「やる気スイッチ」が入って前向きモードに・・と思ったらすぐに空気が抜けてって、えぇい自信持たんかい!! 何やら出来はいいのに不器用な孫娘を、はらはら見守るおじいちゃんのような思いにさせられる一冊です。
この書評がいいと思ったら、押そう! » いいね!
ジェットコースターのような展開は下巻に入ってからは、知花煉が本体とマブイの二手に分かれることによって混迷を極めてきた。二人の煉の動きが交錯してどちらがどちらか分からなくなることしばし。唐突に場面が変わったり、ストーリーが不連続のままちぎれてしまったりと少々困惑したが、途中から一人称の「私」と「わたし」で見分ければいいのだと気づいた。 ジェットコースターのような展開と称したが、それは、戦争、戦後の占領、移民、そして今も人々のも基地問題が残ったままの沖縄の人々の受けてきた不条理を、知花煉という一人の少女に投影したからそうなるのであって、エピソードの一つ一つは実際にあった出来事をモチーフにしている。これほど苛烈な人生を生き抜いた知花煉に、なんら報いることなく、戦争はまだ終わっていないという非情さを以て応えたラストも、実際、今の沖縄がそうなのだからという現実を突きつけたものだ。 エンターテイメントの形式をとっているが、底流にあるテーマは結構深いものがある
この書評がいいと思ったら、押そう! » いいね!
スープごはんって、要するにぶっこみ飯、もしくはねこまんまだよな。呼び方一つでおしゃれになるものである。亡き妻の得意料理だったスープごはんを娘にふるまう和佐だが、折々に妻の不在が胸をよぎるのが何とも切ない。それに対して、和佐の母親や義父の振る舞いって、ありえんだろ!! 最後は多少、歩み寄りを見せていたけどなんだかなぁ。
瀧羽さんお得意のこじらせ理系男子の藤巻博士を中心にして話が進むのかと思ったら、なんと、1話ごとに話が10年以上ジャンプしているではないか! 博士の気象学へののめり込みぶりはストーリーの背景となって、子、孫、曾孫まで続く一大ファミリーヒストリーとなっている。こうなったら、さらに十数年後に玲が恐竜好きの気質をどのように昇華させているのかを見てみたいぞ、あとマリンちゃんとの仲がどうなっているのかも。
ミックスの風貌ゆえに子供のころからいじめ慣れ続け、若くして人生に絶望してしまったザッくん。大学進学を機に故郷を離れ、今度はその風貌でかえってモテるようになって、少しは自信をもてるようになってもよさそうなのになぁ。そんなザッくんがひょんな成り行きで沖縄のホテルでリゾートバイト。でも実際にはリゾート感、全然ない(笑) でも、いい加減すぎるオーナー代理をはじめ、周囲のスタッフは個性は強いけど、みんないい人じゃないの。普通に受け入れられているってそろそろ気づかんかい!! それにしても、沖縄の家父長制って、なんか闇が深いなぁ。
天棚機姫神、大山祇の稲の精、高龗神、田道間守命と、前巻とうって変わってマイナーな神が登場する。フリガナがないと読めない神様ばかりだぞ。御用人としてはなんとなく頼りなく見える良彦であるが、ごくごくまっとうな心根が、神様に本来の自分の存在意義というものを気づかせるのであろうな。 天棚機姫神と田道間守命の柱では穂乃香がナイスアシストであった。
浩治よ、沈没船が「俺たちのお宝」などと言っている割には、捜索の仕方が行き当たりばったりだったり、危険人物(としか思えない)の父親にべらべらしゃべっちゃったり、行動がかなり軽率だぞ。計のことをガキ扱いできないよなぁ。まぁ、しかしその一念を後々まで持ち続けたのはある意味立派と言えよう。ところで、おやじさんは、結局その後どうなったの?
上巻では、虚ろ船乗りになるための変質って、不老不死の吸血鬼になることなのか? と思わせられたのが、さらに進化して幽体離脱に至っているではないか! さらにさらに、結局のところ、虚ろ舟そのものが不必要になって、肉体を離れた意識だけで外界の星に移り住むことができるようになるって、じゃ、いったいこれまでのキャンプとか血切りってなんだったの! そもそも、1万年以上先って、普通の人間は誰も生きていないのだから、だったら普通に暮らしていればいいじゃん。意識だけがほかの星に移住するって、それって要するに来世への昇天だよなぁ。
虚ろ船に乗る資質を得るための変質を促す合宿ってほとんど吸血鬼の養成所ではないか? なんだか、読むほどにおぞましくなってくるぞ。虚ろ船乗りが本当に栄誉なことなのか? むしろ人身御供のようにしか見えないぞ。 そもそも、虚ろ舟で遠い星の開拓に乗り出すことって、本当に、地球の人類を救うためのものなのか? 人類以外の意思がそうさせているのではないのか? 1万2500年後に地球が太陽に飲み込まれて滅びるというということだが、その前に、核戦争で、滅びる可能性への対応をしなくていいのか? 実際には、太陽が膨張して地球を飲み込むのは約50億年後と言われているけどね。 そして、奈智は、最後まで、変質を拒み続けるのだろうか、それとも・・・
エドウィンって、「江戸勝」が語源だったのですね。 ツワとフキの違いが判らぬとおっしゃっているが、そもそもツわって何? ショユノミってなんだ? 100万部を売り上げる本を書いても、一億人くらいの人には背を向けられているという達観にも目を見張る。 シニカルに物事をとらえながらも、エッセイでこれだけニヤニヤさせてくれる作家って少ないよぁ。 ところで、この一連のエッセイが収められているのって、「岩波現代文庫/文芸」だったのか、最後に気づいた。期せずして文芸的読書をしていたようである。
不明にして、この本を読むまで、菱川師宣という絵師の名を知らなかった。しかし、見返り美人の絵は知っているぞ。そうなのか、この人が浮世絵の祖と言われているのか。 読んだのが昨年の大河ドラマの記憶が残っているタイミングだったので、江戸の地本問屋の興りについても少し遡ってリンクしていたのが、非常に興味深かった。 狩野派の絵師に対して、町絵師として新たな大和絵を作り出したと啖呵を切った吉兵衛が、いつの間にか、自分の固定化された画風でガチガチに弟子を縛り付けるようになってしまったのは、なんとも皮肉な成り行きであるなぁ。 ところで助之進は、その後、どうなってしまったのだ?
三浦しをんの小説のつもりで読み始めたら、ちょっと肩透かしをくらう。浄瑠璃本の訳本だった。 菅原道真の大宰府への左遷をめぐる陰謀を描いた現代訳で、カタカナ言葉なぞも結構多様されていて、ストーリー展開のテンポが速い。結構、残酷な展開もあり、お子さんがこの浄瑠璃を鑑賞するとちょっと刺激が強いかも。