nn_calil

nn_calil

学生時代に旧図書館(現さばえNPOセンター)を利用させていただいていました。専らfacebookの方を使っています。twitterもmixiも時々使っています。

@NaoNogami

本が好きです
12 スタンプラリー

合計スタンプポイント:300pt

ボーナスポイント

5館目記念ポイント 5pt x 2

2日連続ポイント 3pt x 1

写真ポイント 30pt x 8

初スタンプポイント 35pt x 1

さんの書評2023/04/21

中身は素晴らしく強力にお勧めできる本なのですが、一点だけ文句をつけるとしたら日本

中身は素晴らしく強力にお勧めできる本なのですが、一点だけ文句をつけるとしたら日本版の本の題名です。日本版は「デマの影響力」ですが、原題は「THE HYPE MACHINE How Social Media Disrupts Our Elections, Our Economy, and Our Health- and How We Must Adapt」です。 題名だけに惹かれて「デマの影響力」を知りたい人はがっかりするかもしれません。読み方のヒントになるかどうかわかりませんが、読み始める前にまず119頁の[図3-3]ハイプ・マシンの三要素の図を頭に入れておくと、この本の中で頻繁に取り上げられるハイプ・マシンに関してイメージが出来やすいと思います。 内容に関してはネタバレになりそうなので詳細に書くことは控えますが、筆者のシナン・アラル氏はMITの教授でありながら、facebook等のSNSメディアとの研究を通じて分かったことや、日本人にも身近な事例「アメリカ大統領選挙」「クリミヤ侵攻」等日本人にも馴染みの深い事例を用いて説明してくれるので、分かりやすくかつ説得力があります。加えて翻訳本にしては読みやすいので、帯に書かれている言葉を使うと、ビジネス書なのに『スパイ小説のようでもありサイエンス・スリラーのよう』でもあります。 筆者はSNSの様々な問題点や大衆に与える強大な影響力、可能性や危険性の両面を挙げながら、最終の第12章で「より良いハイプ・マシンを作る」ためにはどのようにすべきかという結論を書いています。私もこの結論には納得し、共感もしました。しかし、この本が出版された後にも、SNSやそれを取り巻くデジタル環境は常に変化し続けています。twitter社はこの本の中でも登場するイーロン・マスク氏に買収されジャック・ドーシー時代のtwitterとは大きく変わる可能性がありますし、ChatGPTやBing AIのような対話型AIも出現し、それらの利用を通じて大衆の意思決定のみならず生活全般が影響を受ける可能性もあります。私たちは、この本が提供してくれた知識や洞察を活かして、自分自身のメディア・リテラシーを高め、デジタル社会の市民として責任ある行動をとる必要があります。 今後もデジタル環境が広がり続けていく時代の中で、この本はまさに今読むべき本だとお勧めします。ソーシャル・メディアの仕組みや影響力を理解し、ハイプ・マシンがより良い方向に活用をされるためのヒントや方向性を得ることができます。

この書評がいいと思ったら、押そう! » いいね!

さんの書評2022/09/14

東野圭吾作品、特にガリレオシリーズは映像化作品(映画)を見る前に読むことをお勧め

東野圭吾作品、特にガリレオシリーズは映像化作品(映画)を見る前に読むことをお勧めします。 この秋(2022年9月16日[金])に公開される同名映画の原作。映像化されてしまうとどうしてもキャストに引っ張られてしまうので、映画を観る前に小説を読むことを強くお勧めします。それと、もし「容疑者Xの献身」の読まれてないのであれば、先に読んでおくと話がつながる箇所が一部あります(読んでなくても、問題ありません)。 これから読む、もしくは映画を見る方のために内容は一切書かないつもりですが、ガリレオシリーズを読まれている方には、今までの湯川とは違う一面(容疑者Xの献身は登場人物が大学の同期なので他のガリレオシリーズと違うのが当たり前)が見られます。 アメリカから戻ったことを内海には連絡していて草薙には連絡していない湯川が四年ぶりに再開。そこで草薙から「座礁した捜査」の話を聞いた湯川は、自ら行動に出ます。目的は物語の最後に書いてあるので伏せますが、海外赴任から戻り教授に昇進した湯川に少し変化が見られます。この点は好感がもてました。 今度のガリレオシリーズ(の長編作品)も期待です。

この書評がいいと思ったら、押そう! » いいね!

さんの書評2022/09/14

既に映像化(ガリレオ2)されている4作品の原作。でも、原作も楽しめます。

既に映像化(ガリレオ2)されている4作品の原作。私は既に湯川=福山雅治氏のイメージが形成されてしまっているので、本当は映像化前に原作を読みたかったです。 先にTV版を視聴したので話のスジは知っているとはいえ、小説も十分楽しめました。特に第四章 演技る(えんじる)は、原作を基本にしながら蒼井優さん演じる神原敦子のクセが強烈で、小説版よりTV版の方が良かったかもしれません(個人の感想)。 第一章 幻惑す(まどわす)も、連崎至光役の大沢たかお氏のイメージが拭いきれませんでしたが、これはTV版よりも小説版の方が楽しめました。2022年夏に「統一教会問題」再び話題になっている宗教法人の問題。原作が書かれた2011年、東野圭吾氏がどの宗教団体をイメージして当作品を書いたのかはわかりませんが、今読んでも胡散臭い宗教のトリックを暴くシーンが痛快でした。 東野圭吾作品のシリーズもの(湯川、加賀)は、映像化される前に読むことをお勧めします。

この書評がいいと思ったら、押そう! » いいね!

さんのコメント2023/11/25

これまでガリレオシリーズを読み続けてきた人は、ガリレオ次回作が発表される前には絶対に読んでおくべき本です。ガリレオ前作「沈黙のパレード」は映画化きっかけで読みましたが、今回はなんの事前情報もなく読んでみました。読んで大正解でした。 (小説の内容に関しては、書き込まないことにします。) 物語の序盤は湯川先生は出てこないし、出てきたと思ったらここまでの伏線が次々と回収されてすんなり事件が解決しそうな雰囲気で、ページ数もかなり残っているのでどのような展開になるのかと思ったら、私には全く想定外でした。 「沈黙のパレード」等は、読み飛ばしてもガリレオシリーズの物語の流れには大きな影響はないかも知れませんが、この本は必読の本です。早くもガリレオの次回作が楽しみです。