さんの書評2025/12/11

社内の知的確信犯を探し出せ、を読んで

『他人を傷つけても平気な人たち』(杉浦義典)でサイコパス傾向の高い人物への対処法が語られる際、本書が参考文献として紹介されていたため興味を持ち、手に取ってみた。本書は、架空のサイコパス社員デイブを主人公とし、彼がどのように入社した会社を内部から破壊していくのか、そのプロセスを追いながらサイコパス特有の特徴や行動パターンをわかりやすく示している。物語としても非常に読みやすく、ドラマ化すれば人気が出るのではないかと思うほどだった。 本書では、サイコパスに人が騙されてしまう理由や、騙されたと気づいた後の心のケアまで丁寧に解説されている点が印象的であった。特に、自分自身の内面の不快な側面、弱み、強み、ツボといった“自己理解”がサイコパスに利用されないための予防策になるという指摘は、これまで「サイコパスを知ること」が唯一の対策だと思っていた自分にとって、大きな発見だった。また、常に批判的視点を持つことの重要性にも改めて気づかされた。 全体としては、架空の物語がサイコパスの行動特性の説明を補強する形になっており、専門書でありながら非常に読みやすく、内容も濃い一冊であると感じた。個人的には、ぜひKindle版が出てほしいと思うほどの良書だった。

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