さんのコメント2023/08/27

作者が中国赴任中に骨董市で発見した写真に写った日本軍人の調査と遺族を捜索するドキュメンタリー小説である。 更に、その写真に写る人物の家族や息子が終戦直後の、北朝鮮からの壮絶な逃避行の体験も書かれている。こうした体験をした満州や朝鮮からの引揚者は多いと思うが、戦争の被害は統計数字ではなく一人一人の生身の人が体験したリアルな実話としてとらえた点は、戦争のもたらす悲劇を知る上で意義ある書であると考える。

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