さんの書評2025/12/03

プラットフォームと権力を読んで

プラットフォームシリーズの一つとして、本作は「権力」にフォーカスした作品である。ただし、本作品ではプラットフォームをどのように法で規制すべきか(憲法的ガバナンス、デジタルサービス法、事前規制など)の検討が紹介されており、この本を通じて私が得た印象は、プラットフォームという新しい力に対抗できる手段は、法律や憲法といった古くからある制度しかないのか、ということである。ただし、本作品でも、法律・憲法でプラットフォームを完全に統御できるかどうかは、将来についてはなお不確定である、という見解が提示されており、その点については未だ多くの議論余地があると感じた。 また、日本の規制もいくつか紹介されていたが、やはり欧米と比べると遅れている点があると感じた。本作品は「権力」というやや抽象的な概念を扱っているため、理解するには難解な部分もあった。特に、以前読んだ『プラットフォームと国家』と重なる議論があるように感じたのは、おそらく本作が国家権力にも言及していたからだ。 一方で、社会的立憲主義という、国家だけでなく社会における様々な主体が憲法=ルールを持ちうるという考え方が紹介されていたのは新鮮だった。ただ、個人的には(あるいは偏見に近いが)、この考えは、例えば過激な宗教団体やカルト集団のようなネガティブな事例を想起させずにはいられず、プラットフォームに応用されたときに、必ずしもポジティブな結果になるとは限らないのではないか、という懸念を抱いた。

この書評がいいと思ったら、押そう! » いいね!

共有する: