内田裕介さんの書評 2023/06/22 7いいね!
糖質の生理学的な知見ついて調べていて手に取った。 見開きで右が文章、左がイラストやグラフという体裁で、読みやすくわかりやすいのはいいが、やはりわかりやすさを重視したためか、細部の説明がもの足りない。 また、糖質は人体に有害である、という認識からスタートしているので、糖質の話だけでなく、糖質をどのように遠ざけるか、ということにも力点が置かれていて、糖質制限ダイエットや糖質制限メニューなどにも言及していて、焦点がぼやけてしまった。 ひとつ気になった記述があり、それは「プロテインは飲むべきではない」という項。 プロテインをたくさんとると腎臓に負担がかかって腎臓病になる、という理由だ。 小生もタンパク質補給のためにプロテインを飲んでいるので気になって調べてみたが、たとえば1日に1kg(!)以上もプロテインを飲んでいるようなボディビルダーには、確かに腎臓病で苦しんでいる人がいるようだが、通常摂取量の20g/日くらいで腎障害になる例は見つからなかった。 プロテインが危険だ、というなら、危険な量がどのくらいなのかをデータ(あるいは経験でもいいが)に基づいて説明すべきだと思うがどうだろう?本書にも著者のブログ記事にも危険な分量についての記述はない。 ただただ「人工的なものは避けるべき」っていうような説明では、週刊金曜日と同じで、科学というより思想であり、信者以外には役に立たないのにな、と残念に思った。
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