ソロ三部作の第二作目なのだが、ローツェ南壁の次にマカルー西壁を先に読んでしまっていて、K2を抜かしてしまっていたことに後で気づいた。登頂者の4人に1人が死亡するという非情の山、K2に冬季単独登攀を試みる和志。夏だって命がけの登山なのにそれはあくまで試登で、その冬にまた登るって、相変わらずのミラクルマンぶりである。外野に過ぎないはずのマルタの妨害工作は、今巻では、前後2作に比べればそれほど直接的なものではないものの、やはり相変わらず狂気に近いものがある。 和志と単独初登を争う形となったアリエフってポーランド隊から勝手にチームを抜け出して登頂を試みたデニス・ウルブコがモデルとなったのかな。とすればこれは2018年の出来事ということになるな。実際の登山しではK2の登記初登頂はこの3年後の2021年、ネパール隊によるものであった。
