琥珀の夏 (文春文庫 つ 18-7)
北刻堂さんのコメント 2024/09/28
読み始めは、児童養護施設を舞台にした物語かなと思ったけど、そんな単純な所ではなかった。一見、崇高な理想を掲げているものの、結果的に、子供たちの現実社会における未来を奪ってしまう「ミライの学校」という名前が何とも皮肉なものになってしまっている。清濁併せ持つ必要のない社会を目指すことが必ずしも悪いことではないのだろうけど、現実社会と途絶した環境でそれを目指そうとすると、結局は独りよがりな集団が出来上がってしまうのかなぁ。いろいろ考えさせるものがある。