コモリーマン@Yoga好き❤️さんの書評 2025/12/12
喪失感に興味があり、本書を手に取った。本書は現代の中年である60代の喪失感を、 心と体/家族と人間関係/キャリアと生きがい の3つのテーマに分け、それぞれのデータを踏まえながら、喪失感の実態とその対策を具体例を交えて深掘りしている。 内容は60代に焦点が当てられており、当初期待していたよりも世代が限定されている印象を受けた。しかし、 • 生活の質を高めるために使えるものは積極的に使う • 人間関係は義務や習慣ではなく「心地よさ」を基準に選ぶ • 過去に固執せず、環境の変化を柔軟に受け入れる • 今の自分に飽きたら、別の角度から新しい自分を楽しむ といったアドバイスは、中年に限らず幅広い世代に刺さる内容だと感じた。 特に、人間関係の喪失感への対策として「新しいコミュニティに参加すること」が強調されていた点は、家族や職場以外にコミュニティを持ちにくい独身単身者にとって非常に重要だと感じた。私自身も、今後は近所のイベントなどに意識的に目を向けてみたいと思う。 また、余命宣告に伴う喪失感についての「残された時間がわかることで、その時間を有意義に使える」という考え方は、突然死よりもむしろ前向きな面があるという視点であり、死を静かに受け入れようとする哲学的な姿勢が印象的だった。 総じて、本書は中年の喪失感にフォーカスしているものの、扱われているいくつかの事例はほかの世代にも十分応用可能で、生き方を考える上での示唆が得られる作品だと感じた。
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