さんのコメント2021/02/24

沖縄のマグロ漁師・本村実の漂流を巡る取材記。角幡氏自身の冒険記と違って、完全に第三者として取材を重ねたルポルタージュとなっている。といっても、木村実氏の漂流譚に関する記述はあまりなく、むしろ、漂流にいたる背景にある佐良浜漁師の歴史や気質に関する記述が前半のほぼ全てを占めている。中盤から著者自身がマグロ船に乗って漂流ルートに近い海域を訪問したりするあたりで、ようやく現地ルポとしての話が走り始める。書かれていること自体は興味深いものが多いのだが、如何せん長い。全部読み切るのには結構忍耐が必要でした。

共有する: