さんのコメント2025/10/09

櫂と暁海。当人達に何の落ち度があるわけでもないのに、身勝手な親に人生を振り回されていく二人の絆の危うさが何とも切ない。あまりの理不尽さに、正直、前半から中盤にかけて、読むのがつらかった。櫂の命の灯が消えかけた時に、やっと始まった二人の生活がとても貴重でいとしい時間となり、どうしてもっと早くこれが実現できなかったのかという思いが残る。 北原先生の、世俗を超越した懐の深さが救いであった。

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