さんのコメント2021/06/30

チェ・ゲバラを主人公にした作品と思っていたら違っていましたね。あくまでもチェは触媒としての存在で、主役はあくまでも知花煉といういう架空の女性。ジェットコースターのような展開とハチャメチャが堂々とまかり通る池上永一の世界がふんだんに盛り込まれていて、ぐいぐい読み進みます。そしてその一見ハチャメチャなストーリーの中に、戦争、移民、ゲリラという歴史のうねりの中で、もっとも割に合わない仕打ちを受けてきた民のありさまを、知花煉を通して描いているのだと言える。意外と底流にあるテーマは深いものがあるぞ。下巻の展開が楽しみ。

共有する: