近代日本を強く生きた女性を知る3冊+1

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鋼の女 最後の瞽女・小林ハル (集英社文庫)

下重 暁子

生後まもなく失明し瞽女(盲目の旅芸人)の道を歩み始めた少女は明治・大正・昭和・平成を生き抜き人間国宝になった。 105歳で亡くなった「鋼の女」小林ハルの生涯を描くノンフィクション。

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あゝ野麦峠―ある製糸工女哀史 (角川文庫)

山本 茂実

富国強兵、殖産興業。 近代日本を支えたのは貧農出身の少女達だった。 彼女達が命がけで紡いだ糸は何に化けたのか?いわゆる女工哀史に留まることなく、近代日本の出発点と着地点を明確に示したノンフィクション。

からゆきさん (1976年)
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からゆきさん (1976年)

森崎 和江

明治から昭和初期にかけて日本はアジアに進出して行く。 大量の軍事力と労働力。 そしてその影にはからゆきさんと呼ばれる女性たちがいた。 その多くは二十歳まで生きることを夢見た15~6歳の少女だった。

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放浪記 (新潮文庫)

林 芙美子

「私は宿命的な放浪者である。」行商人の子として生まれ、底辺の生活を強いられた少女は文学に憧れ上京をする。 男の裏切り、絶望。 そして飢え。 しかし、少女は逞しく強かに生きてゆく。 近代女性のブログ。

近代日本を知りたい方にオススメ

信じられないことですが、この国の近代(明治~敗戦まで)において女性は参政権(選挙権)さえ与えられていませんでした。 まったくふざけた話ですが、近代日本における女性の立場をもっとも明確に示す事柄だと思います。

その中でも、ピックアップした本に描かれた女性たちは、最底辺の生き方を強いられていた人たちです。 ともすれば、彼女たちは時代が生み出した悲劇のヒロイン的な語られ方をされますが、これらの本はそれを目的とせず事実をクールに書き記しています。 そこには時代の犠牲になった惨めな姿ではなく、逞しくしたたかな女性たちの姿が垣間見えます。

特に、『あゝ野麦峠』 映画で大竹しのぶさんが演じた「政井みね」にスポットが当たることが多いようですが、この本では時代背景や彼女たちを雇っていた経営者側にまで丁寧な取材がなされています。 圧倒的な取材力と客観的な資料、製糸工女達の持つ独特の物語性。 そして著者の語り口。 私の知る限りでは近代日本を包括的に描いた最高のノンフィクション作品です。 

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閲覧回数:2188回、公開:2011/02/21

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書いた人 : きたあかり @ 913.6さん

最近、20年ぶりに図書館を利用しています。 
この間納付した地方税をすべて取り返す勢いで読みまくる所存です。 (笑)

https://bookmeter.com/users/3103

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