中山七里さんは岐阜県出身!「きらら」の作家たちvol.6

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ハーメルンの誘拐魔<「刑事犬養隼人」シリーズ> (角川書店単行本)
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ハーメルンの誘拐魔<「刑事犬養隼人」シリーズ> (角川書店単行本)

中山 七里

最初に誘拐されたのは子宮頸がんワクチン接種の副作用により記憶障害になった15歳の少女。第二、第三の誘拐も発生し、7人の少女に70億円の身代金が要求される。犬養刑事vs「笛吹き男」。シリーズ最新作。

切り裂きジャックの告白

中山 七里

犬養刑事シリーズ第一作。連続猟奇殺人事件の被害者は同じドナーから臓器移植を受けていた。犯人は移植者に会うことで臓器提供した息子の命を確かめたい母親?猟奇殺人をしてまで犯人が守りたかったものとは?

七色の毒 刑事犬養隼人 (角川文庫)

中山 七里

高速バス事故は仕組まれた殺人事件だった?犬養刑事が俳優養成所で培った人間観察眼は犯人の僅かな視線の動きも見逃さない。「毒」は人間の中でいつの間にか殺人を犯すまでに成長してしまう。犬養刑事の連作短編集。

大どんでん返しのミステリーが好きな人にオススメ

中山七里さんは「さよならドビュッシー」で2009年に「このミステリーがすごい!」大賞を受賞されています。「きらら」では2014年2月号より「セイレーンの懺悔」を連載していました。音楽ミステリーではピアニスト探偵岬洋介シリーズが大人気です。
今回紹介するのは社会派ミステリー作品です。子宮頸がんワクチンの副作用問題、医療過誤、臓器移植などを題材に、ラストには予測不能の大どんでん返しが待ち受けています。事件を捜査する犬養刑事は、観察眼の鋭さで「男の検挙率は本庁でも1位、2位を争う」と言われています。また、離婚した妻との間に13歳の娘がおり、腎不全を治療するためには臓器移植しか方法がありません。「切り裂きジャックの告白」では臓器移植患者のその後の様々な問題が浮かび上がり、移植を待つ娘の父親として、臓器移植は是か非かに逡巡する姿も描かれています。
子宮頸がんワクチンの副作用を題材にした「ハーメルンの誘拐魔」は殺人事件こそ起きませんが、記憶障害の切なさにやりきれない気持ちでいっぱいになります。この問題に関心を持つ読者が増えることを願って描かれた作品だと思います。
大どんでん返しに驚愕し、内容の深さに項垂れます。しかし作品の随所に岐阜県の地名や、多治見市が「日本一暑い街」として埼玉県熊谷市と張り合っていることも書かれ、中山さんの郷土愛にうれしく思います。音楽ミステリーの「どこかでベートーヴェン」でも岐阜県に実在しそうな名前の高校が登場したりと、中山さんのこれからの作品にも目が離せません。

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閲覧回数:1796回、公開:2016/07/15

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