「さよなら」から新しい道が始まる。中村航「きらら」の作家たちvol.9
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年下のセンセイ (幻冬舎単行本)
中村航
世界中の青空をあつめて
中村航
さよなら、手をつなごう (集英社文庫)
中村 航
何かを失うことが不安で一歩が踏み出せない人にオススメ
中村航さんは2009年5月号より「きらら」で「星に願いを、月に祈りを」を連載されていました。
今回紹介する「年下のセンセイ」では、28歳の主人公は8歳年下の生け花講師に惹かれながらも、年の差、彼の東京の大学への進学などから想いを封印すべきかと悩みます。しかし、男性作家である中村さんが描いたのは、主人公達が一歩踏み出した姿でした。
人は何か行動することによって何かを得ますが、時には何かを失うこともあります。でも、失うということは終りではなく、失ったその先には新しい道が始まっていると中村さんは書いています。
「世界中の青空をあつめて」は、絶望していた主人公が50年以上前の祖父の約束を果たして行く過程で、自身の傷と向き合い、復活していく姿が描かれています。中村さんの言葉が、優しく寄り添って応援してくれるようで、読み進むうちに主人公と一緒に元気になれる作品です。
「きらら」の作家たちの展示が9月末までのため、カーリルレシピも今回で終了いたします。ご愛読ありがとうございました。
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閲覧回数:1324回、公開:2016/09/02