「さよなら」から新しい道が始まる。中村航「きらら」の作家たちvol.9

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年下のセンセイ (幻冬舎単行本)
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年下のセンセイ (幻冬舎単行本)

中村航

28歳。恋をしていない歴3年のみのりが生け花講師に惹かれる。ただし、彼は8歳年下。この想いは封印すべき?男性作家によって描かれた、女性が8歳年上の恋。勇気づけられます。

図書館指定なし

世界中の青空をあつめて

中村航

1964年の東京オリンピック開催の時に果たされるはずだった祖父の約束。すべてを失って田舎に戻ってきた孫が約束の実現に向けて奔走する。すべてを失ったと思っていた先に、空も、道もあるのです。

図書館指定なし

さよなら、手をつなごう (集英社文庫)

中村 航

2歳年上の兄や仲間たちと宇宙飛行士を夢みて、実験や訓練に明け暮れていた小学生時代。大人になり、仲間のひとりが夢を実現させた。思いがけない奇跡とともに。心あたたまる短編集。巻末の「ぱぐ ぐぐぐ」は秀逸。

何かを失うことが不安で一歩が踏み出せない人にオススメ

中村航さんは2009年5月号より「きらら」で「星に願いを、月に祈りを」を連載されていました。
今回紹介する「年下のセンセイ」では、28歳の主人公は8歳年下の生け花講師に惹かれながらも、年の差、彼の東京の大学への進学などから想いを封印すべきかと悩みます。しかし、男性作家である中村さんが描いたのは、主人公達が一歩踏み出した姿でした。
人は何か行動することによって何かを得ますが、時には何かを失うこともあります。でも、失うということは終りではなく、失ったその先には新しい道が始まっていると中村さんは書いています。
「世界中の青空をあつめて」は、絶望していた主人公が50年以上前の祖父の約束を果たして行く過程で、自身の傷と向き合い、復活していく姿が描かれています。中村さんの言葉が、優しく寄り添って応援してくれるようで、読み進むうちに主人公と一緒に元気になれる作品です。

「きらら」の作家たちの展示が9月末までのため、カーリルレシピも今回で終了いたします。ご愛読ありがとうございました。

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閲覧回数:1324回、公開:2016/09/02

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