甘い蜜の部屋(上) (ちくま文庫)
森茉莉1957年「父の帽子」を発表。父とは文豪森鴎外。長女として誕生し、鴎外の深い愛情を浴びるように受け成長する。茉莉の生い立ちと「甘い蜜の部屋」の主人、愛の肉食獣モイラとを重ねてみる人も多いはず。
血脈〈上〉
佐藤愛子「戦いすんで日が暮れて」で1直木賞受賞。「血脈1~3」は父紅緑、兄ハチローを軸に佐藤家に流れる激しい血を鮮やかに描き切った渾身の一作。また、怒りの愛子、本領発揮のエッセイは痛快の一言です。
おせい&カモカの昭和愛惜 (文春新書)
田辺聖子 1964年「感傷旅行(センチメンタルジャーニィ)」で芥川賞受賞。名エッセイ「カモカシリーズ」では愛夫、おっちゃんとの毎日が綴られています。その日々こそがお聖さんの魅力の源と感じます。
いよよ華やぐ〈上〉
瀬戸内寂聴 1956年「痛い靴」でデビュー以来、精力的に傑作を世に出し続け、2006年に文化勲章を受章。ぱーぷるの筆名でケータイ小説を発表するなど、そのチャレンジ精神は、いよよ増すばかり。
あ・うん
向田邦子1981年航空機事故で台湾の空に散る、享年51。直木賞受賞のわずか1年後のこと。「寺内貫太郎一家」などの脚本家としても名高い。没後に出版された関連書籍の多さも彼女の魅力あってのこと。
母に歌う子守唄 わたしの介護日誌 (朝日文庫 お 27-3)
落合恵子 小説、エッセイ、翻訳、絵本と、その秀作は枚挙のいとまがない。「クレヨンハウス」を主宰し、そこから生まれた月刊誌「クーヨン」は子育て世代の人たちから篤い信用を得ている。
アッコちゃんの時代
林真理子 1986年、直木賞を受賞。1995年に柳原白蓮を描き柴田錬三郎を受けた「白蓮れんれん」は花子とアンの放送に伴い人気が再燃。週刊文春に掲載中のエッセイをまめとめた本もファンの楽しみのひとつ。
ご新規熱血ポンちゃん
山田詠美 1987年、直木賞受賞。どの作品も言葉や言い回しを吟味し、一言一句を疎かにしない姿勢が貫かれている。熱ポンシリーズは13冊を超え、次巻を心待ちにする人は多いでしょう。
女性作家に一家言ある方ににオススメ
「古今女流作家勝手に10選」は現在、多治見市図書館笠原分館で展示中の資料のテーマです。12人の人が「いいね!」を押しています。
閲覧回数:1099回、公開:2014/09/26