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眞野(しんの)先生。本が傷んだら修理するって考えだけじゃいけないんですね。

眞野(しんの)先生。本が傷んだら修理するだけじゃダメってホント?〜ストーリーでわかる図書館の資料保全の考え方 眞野節雄/監修 DBジャパン/編集 あさな/イラスト DBジャパン 2022年  ノートの会社の方による水に濡れた本のとりあえずの救出法についてのTweetが拡散されたりするのをみても、水濡れ本に関心のある人は一定数いる。  本書は公立図書館に勤める新人司書が『図書館の水濡れ対策』をお題にブックトークを課せられ、資料保全のエキスパートに習いながら大規模な災害による書物の水濡れにどう対処するか、を調べ、また、「本の修理」は日常的に資料の保全•活用を考えつつ行うものなのだと認識を深めるお話しになっている。  ストーリー仕立てで図書館資料の修理について書かれた本は初めて読んだ。修理の技法については、書物研究会の『図書の修理 とらの巻』(正続)がたいへんわかりやすく教えてくれていたが、本書によって、そもそも修理は極力しない、(で済むように)ということが大切だと学んだ。  馴染みやすいストーリー仕立てなので、子ども司書や図書委員として活動する中高生にもおすすめできそう。  おまけとして149ページのQRコードから眞野先生オリジナル資料「製本の工夫を知る」がダウンロードできる。発行元のDBジャパンの寛大さに感謝する。

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