さんのコメント2025/06/14

「せどり」とは、漢字で競取りと書くそうですが、一般には個人宅の蔵書などを安く買って古書店(または古書収集家)に高く売りつける商売のこと。 作者はフリーライターで、ふとしたきっかけで知り合った「せどり男爵」とあだ名される古書店主からの聞き書きという体裁のオムニバス小説です。 いずれも日本語ではいわゆる「書痴」、横文字なら「ビブリオマニア」と呼ばれる人々の話に昭和な男のロマン(?)が加味されたようなお話。 最終話が極めてエログロなので未成年にはあまりおすすめできません。 ただ、第4話の、シェイクスピアの初版本をめぐるユダヤ系財閥夫人との丁々発止のやりとりはかなり面白かったです。

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