さんのコメント2025/06/14

表題作を含む短編4作に評論1作を加えた短編集。 3作目の『ファチーノ・カーネ』以外の3作はみんな大好きNTRw ですが、笑ってばかりもいられない。 表題作は、不貞をごまかし自分のプライドを守るためについた嘘が、恐ろしい結果を招く話。 19世紀のフランスって怖い。 最後の評論『書籍業の現状について』は、出版社や印刷屋や仲卸を経ないと書店で本を売ることができないという文筆家の嘆き。 21世紀になれば、作家は自作を電子で直接出版できるようになるんですよ!と教えてあげたい気持ちになりました。 いちいち文章がまわりくどいですが、バルザック研究家の先生が翻訳しているので、文体は平易で読みやすく、適宜注釈もあってわかりやすかったです。

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