さんの書評2023/03/21

全ことわざが驚きに満ちて心を温める

金井真紀さんが世界各地のゆかいなことわざにやさしい色づかいのイラストを合わせた、プレゼント用にぴったりな一冊。 金井真紀さんは、『日本に住んでる世界のひと』、安田浩一さんとの共著『戦争とバスタオル』で、人権がないがしろにされた状況への怒りが真っ直ぐで、日本にいて難民申請が通らず苦しんでいる人のことを伝えることを、フェスなど血の通ったしかたで取り組んでおられる方と承知していた。 本書には、『日本に住んでる世界のひと』の、日本語のあたたかいの過去形「あたたかかった」を愛でる人のエピソードにみられることばへの興味があふれている。 本のタイトルにもなっているフィンランドの「やり方はいくらでもある」とおばあちゃんは猫でテーブルを拭きながら言った は私も本書の中で一番好きだ。次は『卵は石とは相撲をとらない』(ウォロフ語) ことばそのものの「自分より強い者と喧嘩するな」という警告もたいへんためになるし、このページのイラストがセネガルのお相撲の様子でコスチュームがすてきだ。 もちろん、一番も二番もそんなに差はなく本書の全ことわざが驚きに満ちて心を温めてくれる。 だから甥や姪、孫など、小学生なったらプレゼントにしたい。 もし、自分にこの本を贈ってくれる人がいたらきっと忘れない。

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