横浜の文学を味わうための5冊

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西洋の見える港町 横浜

中野 孝次

長年にわたり、神奈川近代文学館の館長を務めていた中野孝次(1925-2004)による、横浜の街を題材とした随筆集。横浜の街の思い出と文学との関連が、豊かな挿絵とともに、丁寧な文章で綴られている。

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横浜少年物語―歳月と読書

紀田 順一郎

著者(1935-)は神奈川近代文学館の現館長。戦中・戦後に横浜で少年期を過ごした人物が、いかにして書物に触れ、どのような図書館体験を持ち、どのように読書をしていたのかを今日に伝える回想録。

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幻燈 (大佛次郎セレクション)

大佛 次郎

大佛次郞(1897-1973)は横浜に生まれ、数多くの小説作品を発表した。本書は、明治時代の横浜の街を舞台とした小説。地元ゆかりの作家として、港の見える丘公園には「大佛次郎記念館」が建てられている。

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中島敦 (ちくま日本文学 12)

中島 敦

中島敦(1909-1942)は東京に生まれ、私立横浜高等女学校(現・横浜学園高等学校)の国語と英語の教師を務めていた。「李陵」「山月記」など、主要な作品はこれ1冊で読むことができる。

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生麦事件〈上〉 (新潮文庫)

吉村 昭

吉村昭(1927-2006)は東京生まれの小説家。本書は、横浜が舞台となった大事件を題材とした歴史小説。国の歴史が動いた大事件として、昨年に話題となった映画『桜田門外ノ変』の原作も併せて読みたい。

横浜の文学に興味がある人にオススメ

2011年2月12日に、私とACADEMIC RESOURCE GUIDE (ARG)の岡本真さん(http://www.arg.ne.jp/)を始めとして、横浜コミュニティデザイン・ラボ(http://yokohamalab.jp/)、北仲スクールACTプロジェクト(http://kitanaka-school.net/)、ポートサイドステーション|横浜市民放送局(http://portside-station.net/)の方々とご一緒に、横浜の文学をテーマとしたイベント「横浜文学散歩 ~言葉をめくる・景色をめぐる~」を企画しております。それに併せて、横浜に関連する文学作品や横浜の街の歴史を知るための本を選んでみました。
一般的に、地域と文学とを結び付けるには、「その地域に暮らしていた文学者」というものと、「文学作品のなかに登場する作品舞台」という二つの観点がありますので、その両方から本を選んでみました。また、横浜という街での個人的な文学体験を綴ったものとして、横浜の街を代表する文学スポットとして定評のある神奈川近代文学館の歴代館長お二方の本も選びました。
横浜という土地にゆかりのある作家はたくさんおりますが、まずは横浜の街の歴史を知るところから、文学作品の醍醐味に触れていただけたらと思います。

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閲覧回数:1921回、公開:2011/02/01

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書いた人 : hiroyukiokanoさん

岡野裕行。1977年茨城県生まれ。皇學館大学文学部国文学科准教授。博士(学術)。専門は図書館情報学。文学館や文学資料の研究を行っています。

Twitter : hiroyukiokano - 作者につぶやく

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