東アジア史を魅力的に描いた3冊

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幕末・維新―シリーズ日本近現代史〈1〉 (岩波新書)

井上 勝生

学校で習った日本史と現在の研究水準の差は意外に大きいと実感させられました。

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中国思想と宗教の奔流 (中国の歴史)

小島 毅

尊皇攘夷の考え方は朱熹に発します。北宋・遼・南宋・金・モンゴル帝国が入り乱れる時代を分かりやすく描いています。

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中国、1900年―義和団運動の光芒 (中公新書)

三石 善吉

大学時代の師匠が勧めてくれました。当時は1999年ぐらいだったからもう10年以上前か…。

史学科に進学するか迷っている人にオススメ

人間の活動の記録、歴史は本来面白いもの。しかし文学や映像作品として見るから面白いのであって、研究対象としてしまうと地味な史料購読が主体で、無味乾燥で楽しくなさそう…。そう思っていた時期が私にもありました。それは一面の真実ですが、研究者が描く史実に基づいた文章であっても、十分に面白く描き、読めるものもある。それを知ってもらえれば、歴史を学ぶ楽しさの一端を味わえるのではないでしょうか。ただし、就職で苦労することは御覚悟下さい。

「幕末・維新」は黒船来航移行の日本の幕末の政治・社会・経済の様相を分かりやすく描いています。受験の日本史で習った内容と少し違うような…という印象を持てれば、きっと楽しめます。これを読んで川路聖謨が好きになりました。「龍馬伝」のお供にどうぞ。
「中国思想と宗教の奔流」は10-12世紀の中国・宋の時代を描いています。タイトルが取っ付きにくそう、思想・宗教が軸で時代の大きな流れが描けるの?と読む前は懐疑的だった点について、この場で小島先生にお詫びします。分厚い本ですが、非常に読みやすく、北宋・遼・南宋・金・モンゴル帝国の興亡までの大きな流れが描かれています。個人的キーポイントは「尊皇攘夷」。
「中国、1900年」は19世紀末の中国が舞台。義和団事件という題材が非常に渋くて良いです。当時の中国の近代と前近代が交差する感じがよく伝わってきます。大学時代の恩師が勧めてくれた1冊ですが、流石だと思いました。専攻は古代史(先秦史)だったのに、守備範囲広いや…。

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閲覧回数:1506回、公開:2010/07/06

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書いた人 : hermit03さん

東京都下に潜伏中。
某図書館勤務。

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