東アジア史を魅力的に描いた3冊
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幕末・維新―シリーズ日本近現代史〈1〉 (岩波新書)
井上 勝生
中国思想と宗教の奔流 (中国の歴史)
小島 毅
中国、1900年―義和団運動の光芒 (中公新書)
三石 善吉
史学科に進学するか迷っている人にオススメ
人間の活動の記録、歴史は本来面白いもの。しかし文学や映像作品として見るから面白いのであって、研究対象としてしまうと地味な史料購読が主体で、無味乾燥で楽しくなさそう…。そう思っていた時期が私にもありました。それは一面の真実ですが、研究者が描く史実に基づいた文章であっても、十分に面白く描き、読めるものもある。それを知ってもらえれば、歴史を学ぶ楽しさの一端を味わえるのではないでしょうか。ただし、就職で苦労することは御覚悟下さい。
「幕末・維新」は黒船来航移行の日本の幕末の政治・社会・経済の様相を分かりやすく描いています。受験の日本史で習った内容と少し違うような…という印象を持てれば、きっと楽しめます。これを読んで川路聖謨が好きになりました。「龍馬伝」のお供にどうぞ。
「中国思想と宗教の奔流」は10-12世紀の中国・宋の時代を描いています。タイトルが取っ付きにくそう、思想・宗教が軸で時代の大きな流れが描けるの?と読む前は懐疑的だった点について、この場で小島先生にお詫びします。分厚い本ですが、非常に読みやすく、北宋・遼・南宋・金・モンゴル帝国の興亡までの大きな流れが描かれています。個人的キーポイントは「尊皇攘夷」。
「中国、1900年」は19世紀末の中国が舞台。義和団事件という題材が非常に渋くて良いです。当時の中国の近代と前近代が交差する感じがよく伝わってきます。大学時代の恩師が勧めてくれた1冊ですが、流石だと思いました。専攻は古代史(先秦史)だったのに、守備範囲広いや…。
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閲覧回数:1506回、公開:2010/07/06