目次
日本の読者の皆さんへ
01 物語の始まりはアメリカ・アナーバーに住む16歳の青年、
ロバート・ファウザーが外国語を学んだ最初の記憶から
02 人類の外国語学習はどこから始まり、どこへ向かうのか、
外国語学習はどのように進化したか
03 初めて外国語を学んだその瞬間を覚えているか、それは自ら望んだ選択だったか
04 AI 時代到来による外国語学習のジレンマ、
そして今僕らの目の前にある外国語学習の新たな目標
05 また外国語を学ぶんですか? みんな自分の外国語学習歴を振り返ってみよう!
06 「昨日の自分」が現れて「今日の自分」を助けてくれる
07 新しい外国語学習をめぐる限りなき激論
08 最良の学習法と学習者、個人差との関係は?
09 ロバート・ファウザー流「外国語が上手くなる方法」
10 誰もが一度は考えたこと。外国語を学ぶには年を取りすぎたのでは?
11 成人学習者には成人学習者のための外国語学習目的が必要だ
12 外国語学習の道、立ち止まるな、ひたすら前進、前進、前進あるのみ!
13 外国語と一生付き合う方法、毎日コツコツ読んで、書いて、聞いて、使って
14 英語に非ずんば外国語に非ず? 世界は広く、学ぶべき外国語は多い!
15 言語の巡礼者ロバート・ファウザーの新たな挑戦、次はイタリア語だ!
訳者あとがき
参考文献
前書きなど
「振り返ってみると、新しい外国語を巡礼しながら今まで生きてきた。10代後半から関心を持って学び始めた外国語は、僕には一生の友人であり、より広い世界を見ることができる窓だ。外国語で書かれた文章を初めて読み、その文章に込められたその言語固有のニュアンスを理解していると感じられたとき、胸がいっぱいになった気持ちは今でもはっきり覚えている」(P14)
「外国語を学ぶことは誰にとっても簡単なことではない。だが、ここに自律性というフィルターを使ったらどうだろうか。すると今までとは印象が少し変わってくる。
自律的に勉強するということは、自ら目的を定め、その目的を達成するために段階的な目標を立て、それに合わせて学習していくことだ。学生時代の僕らには自らが決めた目的と目標などなかった。すでに教育課程によって設定された目標が決まっており、ひたすらそれに従わなければならなかった。
しかし、成人となれば話は別だ。今、僕らは自ら目的を定めて、段階的な目標を決めることができる。これが何を意味するのか? 今までの嫌な記憶は忘れていいということだ。つまり、今までとは違って外国語学習が成功する可能性がぐんと高くなったという意味だ」(P149)
「成人の外国語学習はこのようなやり方では長続きしない。僕らにとって外国語は趣味であり遊びであり、友人のような存在でなければならない。そのためには、目的の立て方から変えなくてはいけない。頭と心のバランスが大切だ。他人の評価や視線ではなく、自分を中心に置くことがまず必要だ。そのようにもう少し長い目で見れば外国語学習はその場しのぎの手段ではなく、一生の財産になってくれる。「やりがい」という財産だ」(P153)