たかさきやま自然動物園探検隊長さんの書評 2023/05/13 3いいね!
過去の世界へ時間を超えて行ってみたい。
まだ写真も残っていない時代、歴史の教科書の記述などでしか知ることの出来ぬ頃の世界を、この目で見て体験してみたい。そんな誰もが一度は抱くであろう叶わぬ思いに答えてくれるのが本書。
昭和の時代の小学生がしばしば読まされた学研の『科学』と『学習』の何れか(忘れた😂)に掲載されたのが始まりである。これら両雑誌の名前を聴いて即座にそれとわかる人は、歳がバレますぞ。
それは別として、一体どんな方法で過去の世界へ飛んでいったのか、その仕掛けが面白い。また、仮に過去の世界へ行けたとしても、家族や仲間がいる今の世界へ無事に戻って来れるのか、【行きはよいよい⤴️♥️帰りは怖い⤵️⚠️】なんてことになりやしないのか。希望と同じ位に不安や危険もある過去への旅。それは、貴方をスリルとサスペンスに満ちた夢の世界へといざなうことでしょう。
時代劇でしか観られない筈の本物の忍者に過去の世界で実際に出会ったとしたら、果たしてどんな展開が待っているのやら。
我が国のSF黎明期の作家として知られる光瀬龍がこども達の夢に応えたいと著した渾身の本作は、NHK少年ドラマシリーズの一つとして実写版にて放映されました。人気お笑い番組『笑点』のベテラン座布団運びの山田隆夫が出演していることでも知られています。因みに、かつて小学5年生向けのNHKの教育番組に山田隆夫は、6年生で出ていて真面目な私はインチキと思ったものでした🙄。現在でも港区愛宕山頂にあるえNHK放送博物館でその一部を観ることができるようです。
いわゆる時代劇ならば、長剣を遣う武士と対等以上に渡り合うのが常の屈強な戦闘集団である忍者に、時代を超えて敢然と立ち向かう中学生達。体力絶倫とは程遠かった作者なればこその憧れともいうべき運動能力に秀でた中学生達なら、屈強な忍者に引けを取らないのではないか、どんな活躍をしてくれるのだろうというSF作品ならではの展開にご期待下さい。
『夕ばえ作戦』という題名は最後まで読み進めないとわからないのが憎いところ。
2023年05月13日
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