目次
1 入学式のハプニング
2 部活の仮入部で
3 授業妨害なんかじゃない!
4 お前の弁当くせえな!?
5 ブラジル料理を食べてみる?
6 となりのベトナム人
7 初めての定期テスト
8 補習教室へようこそ
9 翔の傘がない!
10 夜間中学ってどんなところ?
11 チマチョゴリの制服
12 掃除をしないミーナ
13 ママ 学校に来ないで!
14 このクラスにいじめが!?
15 マルコを連れていかないで
16 高校を辞めて働くなんて
17 震災のボランティアで
18 外国人は投票できない?
19 高校からは日本の名前に!?
20 卒業式の日の告白
あとがき
前書きなど
あとがき
「職場の多くの先生は、外国人生徒を受け入れるのを快く思っていない。受け持つクラスに、外国人はいてほしくないと願っている。クラスに、目に見えない紙で『外国人お断り』という張り紙がしてあるようだ」。ある先生の思いつめた言葉です。残念ながら、これが多くの学校での実態ではないでしょうか。
多文化共生社会を目指すためには、「マジョリティの変容」こそが必要ではないかというのが本書の企画に込めた願いです。日本で暮らす外国につながる子どもたちが、自分らしく生き生きと暮らすことと、彼・彼女らと共に生きることを喜びとするクラスメイトや先生の存在は、表裏一体のものです。前作『クラスメイトは外国人』の最終話の解説で、私たちはそれを「共生権」という言葉で表現しました。
前作は幅広い方々からご支持のお言葉をいただきましたが、その中に「日本の子どもたちにはわかりにくい」というご指摘がありました。そこで、「新作」はもう少し入門的、入り口的な内容に、まんがとしておもしろく読めるものにできないかと考えました。解説をつけない、外国につながる子どもたちと出会った日本人の子どもたちを主人公にする、物語として読めるものに…という今回のスタイルになりました。
前半の各章は、「出会いのエピソード」をつづったものです。外国につながる子どもたちを受け入れる学校と、そこの子どもたちの様子を描きました。読者のみなさんも、翔や歩夢たちと一緒になって、出会いの緊張を体験していただけると思います。
(…後略…)