サラリーマン@Yoga好き❤️さんの書評 2025/10/15 1いいね!
本書では、サイコパスの心理的・身体的・脳科学的特徴を紹介し、サイコパスの歴史的背景から現代社会における存在、さらには自己診断やサイコパス的傾向を持つ人がどのように生きるべきかについて述べられている。
全体として、サイコパスという難しいテーマを一般向けにわかりやすく、かつ興味深く説明しており、科学的知見に基づく理解を深める内容となっていた。
ただし、治療法に関しては本書でも明確な方法が確立されていないことが示唆されており、臨床・疫学研究の難しさが感じられた。また、サイコパス本人の特性理解や生き方の提案はあったものの、周囲の人間――隣人や同僚がサイコパスだった場合の具体的な対処法についての説明が少なかった点は、やや物足りなさを感じた。
一方で、サイコパスの身体的特徴として、テストステロン量の影響や心拍数の低さなど、脳科学的・生理学的視点からの説明は興味深く、特に「共感性は欠くが、他者の心理を読み取る力に長けている」という指摘は印象に残った。これは、サイコパスの社会的な危うさを端的に示していると感じた。
繰り返しになるが、もし今後改訂や続編があるなら、サイコパスと関わる際の実践的な対応策や距離の取り方などを取り上げてもらえると、より実用的な内容になると思う。
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