コモリーマン@Yoga好き❤️さんの書評 2026/02/02
『あの戦争になぜ負けたのか』を読んで
ピボットで紹介されていたため、興味を持ち手に取ってみた。本書の前半は、第二次世界大戦で日本が敗れた理由について、有識者が座談会形式で討論した内容を整理・編集したものであり、後半は各有識者が個別のトピックを提示し、それらを論じた構成となっている。
敗戦の理由としては、陸海軍、天皇、国民、マスコミ、戦争の大義など、複合的な要因が挙げられており、それぞれの切り口から、現在の日本社会が抱えるさまざまな問題が浮き彫りにされていた。
特に共感できたのは人事の問題である。当時の人事は実務能力主義を軽視し、年功序列や成績優先主義といった内向きで閉鎖的な制度が支配的であったと指摘されている。その結果、合理性よりもお友達優先の判断がなされる上層部組織が形成された。事実、ミッドウェー海戦やインパール作戦などでは、指揮官の熱意や人情が優先され、作戦の合理性が無視された結果、敗北につながったと論じられている。
これらの議論は、現代日本における政治や企業組織に見られる、合理的判断を軽視する人事制度、すなわちジョブローテーションにも通じるものがある。ジョブローテーションは人材育成を名目としているが、合理的根拠に乏しく、過去の先輩が経験してきたからという理由だけで継続されている点は、その典型例である。
第二次世界大戦の敗戦原因を多角的に分析することで、日本組織に内在する問題点を浮かび上がらせた俊逸な一冊である。昭和的な日本組織がいまだに温存され、疲弊しきっている会社員にこそ勧めたい作品である。
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