サラリーマン@Yoga好き❤️さんの書評 2025/08/19
本書は、ポピュリズムの定義や各国における状況、そして今後の展望について、わかりやすくまとめられている。特に興味深かったのは、ラテンアメリカのポピュリズムとヨーロッパのポピュリズムが、それぞれ異なる背景で盛り上がりを見せてきたという点である。
また本書では、ポピュリズムのデメリットとして「立憲主義の原則を軽視する傾向がある」ことが指摘されていた。この点については、今一度「法とは何か」という根本的な問いを全国民が考える必要があると感じた。私の好きな漫画『キングダム』に登場する李斯が「法とは願い──国家がその国民に望む人間の在り方の理想を形にしたものだ」と語る場面があるが、現代における「法」は果たしてその理想を体現できているのだろうか、と疑問に思った。
さらに、三権分立や現在の政治制度についても、現代社会で国民に対してどのように機能しているのかを改めて考える必要があると痛感した。むしろそれが十分に機能していないからこそ、世界的にポピュリズムが拡大しているのではないかと個人的には感じた。
なお著者の水島治郎先生の最新作『アウトサイダー・ポリティクス──ポピュリズム時代の民主主義』も、ぜひ読んでみたい。
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