さんのコメント2024/11/19

音響療法について調べていて手に取った。 心理音響学とは聞き慣れない言葉だが、特別変わったテーマを扱っているわけではなく、聴覚の、とくに閾値についての知見に詳しい。 例えば音程の弁別について、500Hz以下では3.6Hzの違いが聞き分けられるが、それ以上ではだんだん怪しくなってきて、5000Hzを超えると音程はわからなくなるようだ。楽器の最高音が5,000Hzくらいになっていることも、この実験結果をみると「なるほどねー」と納得いく。 音楽療法についての記述は一切ないが、人間が耳と脳で音をどのように捕まえ、解釈しているのか、大変参考になる。原書は1982年の出版でずいぶん古いが、音の聞こえ方という基本的な人間の機能はそうそう変わるものでもない。ひとつのリファレンスとして大いに活用していきたい。

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