原朗氏の悲運の作品 本書は本来、原氏の博士論文になるはずのものだった。 しかし、小林英夫がその構成・内容をそのままパクって先に本を出したため、原氏は博論提出、すなわち博士号取得を断念せざるをえなかった(小林英夫 原朗 剽窃」で検索すると、非常に多くの検索結果を見出すことが可能である。例:原朗『最終講義』20頁)。しかし原氏は定年後、自身の博論を出版する。それが本書である。大東亜共栄圏がただ崩壊していく過程のみしか描写していない小林英夫の『大東亜共栄圏の形成と崩壊』とは異なり、本書は大東亜共栄圏の形成と崩壊のプロセス・原因を正確に突き止めている。大東亜共栄圏の実態を知りたいならば、本書がおすすめ。