紹介
市民の、民法への感覚は、つぎのようなものだろう。民法は、むずかしく退屈。条文が分かりにくい。民法全体の構成がつかみにくい。本書は、以上の市民の感覚を、すべて洗い流す。
民法の全体と部分を、高校数学のコンピューターで習う、流れ図をもちいて、解説。さらに、適宜、注をつけて、図解。図解は、著者の造語にいう「時の流れ図」を多用した。「時の流れ図」では、左から右へ、⇒をもちいて、時の流れを表した。
権利・義務の主体=人を○、権利・義務の客体=物・事を□、権利の主体と客体をむすぶのが実線、義務の主体と客体をむすぶのが点線とした。登記・引渡などの対抗要件を▽で表した。「時の流れ図」は、マンガあるいはプロ野球ニュースを見る感覚で読めるだろう。
本書は、沼正也博士の、民法は誰にでも分かるようにしなければならない、という教えを実践した。冒頭の論文「民法によるガバナンス」のなかで、民法についての著者の学びの歴史を述べた。
目次
民法によるガバナンス
民法(第1編~第5編の関係)
第1編 総則(第1章~第7章の関係)
第1章 通則(1条と2条の関係)
第2章 人(第1節~第5節の関係)
第3章 法人(33条~37条の関係)
第4章 物(85条~89条の関係)
第5章 法律行為(第1節~第5節の関係)
第6章 期間の計算(138条~143条の関係)
第7章 時効(第1節~第3節の関係)