目次
おかんアートが日本を救う
1 そこにあるものを使う 断捨離よりも「いつか役に立つ!」
香坂司登美さんのこと
大谷知子さんのこと
西村みどりさんのこと
おかんアートが生まれるところ
2 デザインよりも素材感が大事
おかんアートの風通し
尾本節子さんのこと
3 飾りじゃなくて生活用品 かわいいけれど役にも立ちます
伊藤由紀さんのこと
●野村知広さんのチラシ箱
4 ご利益をあなどるなかれ
千成春屋のブロック折り紙
●道の駅とおかん
5 もうひとつの折り紙宇宙
系谷美千代さんのこと
ブロック折り紙の歴史
●嶋 暎子さんの新聞バッグとコラージュ
6 小さいからかわいい、小さいからたくさんできる
森 敏子さんのこと
●キットと教則本
びんぼう工作と紺野サキコさん
7 おかんにも推しキャラあり
先生の家
●おかんアートの現在・過去・未来
都築響一×山下 香(下町レトロに首っ丈の会)
おわりに
作品リスト
前書きなど
ラブホテルから散らかった部屋まで、「マスメディアには取り上げられないけれど、どこにでもあるもの」をこれまで半生かけて取材してきたけれど、おかんアートもたしかにグッドテイストでも、意識高くもない。でも「世の中の大部分はこっちだ!」という自信は、今回がいちばんある。
「えーっ、これウチのお母ちゃんそっくり!」「うちの実家にもある!」と思うひとが、ずいぶんいるだろう。そう、数えきれないほどのカリスマおかんアーティストが、日本のすみずみにいて、今日も楽しく手を動かしている。だれにも気に留められず、自分でもアーティストだなんて思ってもいないまま。
そういうおかんたちを、「余計なもんばっかりつくって」と上から目線で眺めるか、「なんだかすごく楽しそう!」と下から目線で眺めるかによって、僕ら自身の日々の暮らしも、ずいぶんちがったものになるはずだ。(序文より抜粋)