目次
ご挨拶[西南学院大学博物館館長 伊藤慎二]
開催概要/謝辞/凡例
はじめに キリシタン時代を「見る」:キリシタン考古学の世界
Ⅰ キリスト教のおとずれ
大友義鎮と開教/キリシタン墓地の設置
【コラム】開発・祖霊・婿養子 残されたキリシタン墓地[ 臼杵市教育委員会文化・文化財課課長 神田高士]
Ⅱ 筑前・筑後におけるキリスト教の伝播
筑前博多/筑前黒崎/筑前大野/筑前秋月/
筑後久留米/筑前・筑後におけるキリシタンの衰退
Ⅲ 島原・天草一揆 受難へ
【コラム】 原城跡[南島原市教育委員会世界遺産推進室室長 松本慎二]
【コラム】千々石ミゲルと伊木力墓所[元長崎歴史文化博物館 大石一久]
出品目録
論 考
北部九州の潜伏キリシタンとその信仰復活期の墓地[西南学院大学博物館館長 伊藤慎二]
キリシタン墓碑の花十字文とその寸法[糸島市地域振興部文化課 秋田雄也]
大野城市瑞穂遺跡出土の「十字架」と「数珠玉」についての検討[西南学院大学博物館学芸研究員 鬼束芽依]
参考文献/Abstract
前書きなど
ご挨拶
福岡は,古代から大陸との交流拠点として繁栄してきました。キリシタン時代には,福岡・久留米・秋月などがキリシタン大名の拠点となり,キリスト教文化を受容していたことが知られています。今回は,そのような福岡,なかでも筑前・筑後のキリシタンに焦点を当て,展覧会を構成しました。
本展では,「キリシタン考古学」というテーマで,おもに福岡県内から出土した筑前・筑後のキリシタンに関わる貴重な資料を展示しています。また,キリシタン時代を語るうえで欠かせない,キリシタン文化が隆盛した豊後や,島原・天草一揆の終焉の地となった肥前原城から出土した貴重な資料も展示しています。これまでのキリシタン考古学調査研究の経緯をたどりつつ,今回はじめて公開となる最新の資料も紹介し,福岡県内のキリシタン時代に関わる資料が一堂に会する稀有な機会です。展覧会にお越しいただいた皆様,そして本書を手に取っていただいた皆様に,キリシタン考古学研究の成果と筑前・筑後のキリシタンについて知っていただける機会となることを願います。
最後になりましたが,本展覧会の開催および本書の作成にあたって,ご協力を賜りました関係各位に厚く御礼を申し上げます。
2023年1月23日
西南学院大学博物館館長 伊藤慎二