紹介
宮城県北部には稲作単作地帯の大崎平野(大崎耕土)がひろがっています。江合・鳴瀬の2大河川が西の奥羽山脈から東南流し地域を潤しています。江戸時代初期より新田開発に伴い先人たちによる用水確保の努力が続けられてきました。その歴史は驚嘆するような知恵と創意工夫の積み重ね、そして困難の連続でした。明治から大正・昭和へ、ようやく機械力の時代へと推移し現代に至ります。特に戦後は国・県・団体営による土地改良事業、農業水利事業が各地域で進められてきました。 2河川のそれぞれ左右岸ごとに、各系統の幹線用水路と藩政期にはじまるその水利施設をたどりました。明治以降の諸事業と水利組合・土地改良区の変遷も追いました。世界農業遺産地域に認定された当地域の灌漑施設と土地改良事業史の概要理解に役立つ本をめざしました。
目次
大崎平野の農業用水の全体像
土地改良制度の変遷
I. 江合川左岸地域
II. 江合川右岸地域
III. 鳴瀬川左岸地域
IV. 鳴瀬川左岸下流地域
V. 鳴瀬川右岸地域
参考文献