目次
第1部 コンテインメント
第1章 つながりの形成
第2章 愛着と感情調整
第3章 調 律――ミラーリングと共感
第4章 存続するパターン――転移と逆転移
第2部 変化のための手段
第5章 二重らせん――感情的出会いと解釈
第6章 メタファーと変容
第7章 ナラティヴの神経科学――経験と意味生成
第8章 解離と退行 再考
第9章 スーパーヴィジョン過程におけるミラーリング、共鳴そして共感
終 章 これからのために
解 説 「心-脳-身体」に目を配る
前書きなど
あなた自身やあなたの大切な人が心の危機に出会ったとき、どのような対応をされるでしょうか? そのとき、もしサイコセラピーを対応の選択肢のひとつに加えるとしたら、どのようなセラピーを思い浮かべられるでしょうか? もし私が今クライエントであるなら、自分のことを十分理解してくれること、自分にあう人間観をもち有効な技法を提供してくれることのほかに、脳や身体の仕組にもある程度通じていることを、セラピストに求めるでしょう。
人間を解剖しなくても、fMRIやPETといった「生きた脳」について調べられるイメージング技法の発達した1990年代の「脳の10年」以降、サイコセラピーは、神経科学との照合のなかで見直されることになりました。その印として、神経科学と精神分析という二つの視点から研究を進める“ニューロ-サイコアナリシス”の出現があげられるでしょう。この時代にあって、脳と体のはたらきを研究する神経科学を抜きに心の問題については語れないのではないでしょうか。
本書は、心と体(脳と神経系統)のつながりへの足場を提供してくれるでしょう。これからもますます《心-脳-身体》の関係は、科学的に解明が進むものと考えられます。現にセラピーを生業とする方、セラピストとなるべく研鑽中の方にはもちろんのこと、対人援助に関わる方々がよりよい介入を果たすために、本書は、必要とする栄養分を含むスープを提供してくれるでしょう。