紹介
横田勇司があの伝説のムーヴメントを語り尽くす、世界初にして究極のマッドチェスター史 / ディスクガイド。ジョニー・マー(ザ・スミス、エレクトロニック)、グラハム・マッセイ(808ステイト)インタヴュー収録!
1980年代終わり、イギリス・マンチェスターに、突如、狂騒のダンス・ビートが鳴り響いた。ニュー・オーダー、ハッピー・マンデーズ、808ステイト、そしてストーン・ローゼズ……。マッドチェスターと呼ばれたこのサウンドは、コンピューターが音楽を席巻する前の最後のダンス・ビートであり、インターネット前の最後の都市発ムーヴメントであり、そして最後の「インディ」の徒花でもあった。横田勇司があの時代にしかありえなかった”マッドチェスター”、その光芒を徹底的に書き抜くウォール・オブ・テキスト、世界初、そして狂気のヒストリーブックが登場です。
「マッドチェスターは、本当にクリエイティヴで、誇らしい、芸術的な時代だった。しかし長くは続かない。快楽主義、ドラッグ、売人、ギャング、銃……そして音楽も変わった」(ジョニー・マー)
目次
Introduction / ジョニー・マー・インタヴュー「ハッピー・マンデーズ加入の誘いは断ったよ!」/ グラハム・マッセイ(808ステイト)インタヴュー「ハシエンダは音響が悪かったからミニマルなサウンドが映えた」 / 総論: マッドチェスター 上昇と下降の5年間 / マンチェスター/マッドチェスターを支えた最重要アーティストの動向を振り返る / ストーン・ローゼズ / ハッピー・マンデーズ / インスパイラル・カーペッツ / シャーラタンズ / 808ステイト / ア・ガイ・コールド・ジェラルド / ニュー・オーダー / ア・サーテン・レイシオ / T・コイ(マイク・ピカリング)/ モリッシー / ジョニー・マー / ジェイムス / シンプリー・レッド / フォール / ピート・シェリー / ハワード・デヴォート / マッドチェスターでのし上がった新進バンドたちを徹底的に紹介……etc.
前書きなど
マンチェスター・ムーヴメントから30年以上経った今、筆者が考えるのは、ロックの歴史の中で、このムーヴメントにどんな価値があったのだろう?ということである。
マンチェスター・ムーヴメント。80年代後期から90年代初期、マッドチェスター、あるいは広義でインディ/ダンス・クロスオーバーと称された一つのブーム。ハウス・ミュージックの英国への上陸が大きく影響して、ロックと、ハウスを中心にしたダンス・ミュージックがミックスされたサウンドを持ち、クラブやレイヴでのダンス・カルチャー / ドラッグ・カルチャーと共鳴してポジティヴなサイケデリック感、トランス感を指向するバンドがマンチェスターを中心に英国全土に広がっていった。このムーヴメントによって、80年代後半までの英国ロック界を覆っていた、メジャー系ではスタジアム・ロックやエレポップ、ブルー・アイド・ソウルのスマートで高級感あふれるサウンド、インディではゴシックやC86系のギター・バンドといった革新性や発展性とは縁遠い袋小路から脱出することが出来た(……)