紹介
作家・芥正彦による伝説的な演劇理論誌『地下演劇』(1969年より芥正彦編集にて全6巻刊行)が、50年の時を経て続刊。
芥正彦によるドキュメンタリー・シアター、もうひとつの『50年目の真実』がここに。芥正彦責任編集、執筆者多数。
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潮目は変わった。
かくも残酷な世界、しかし希望の狼煙は上がっている。
論客・芥正彦、50年ぶりの『地下演劇』にて再臨。
芥正彦、”希望の原理”を語る。
劇作家・芥正彦による討議/横議の記録。
宮台真司、浅野典子、志人、そして若者たちと密かに重ね続けられていた対話20本を全て収録!
新作『令和の国の舞踏譜』、『灰と、灰の灰──老オイディプスの帰還──老いたるものに祖国なし』全シナリオ掲載!
この時代の”希望の原理”とは?
芥正彦によるドキュメンタリー・シアター、2020年から2023年の記録。
もうひとつの「50年目の真実」。
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責任編集: 芥正彦
対談: 宮台真司 / 浅野典子 / 志人
江戸伝内インタヴュー
執筆 / ディスカッション参加者: 浅野典子 / 有吉玲 / 石橋直樹 / 岩渕貞太 / 太田光海 / 上野森爾 / 香咲弥須子 / 寒川湧太 / 鯨井謙太郒 / 楠城昇馬 / 小白秋 / 西郷マチュリ / 志人 / 澤田純 / たける / 橘卓見 / 西村蒼 / 灰街令 / 橋口亮介 / 平田博満 / 藤井隆太 / 古木獠 / 水野幸司 / 森田潤 / 矢田冨士子 / 楊光耀 / 幸村燕 / Radio Ensembles Aiidaほか
編集代行: 熊谷朋哉(SLOGAN)
編集: 矢田冨士子、西村蒼、楊光耀、上野森爾、橘卓見 / Editions 105
編集協力: 小磯幸恵
表紙: 宇川直宏(DOMMUNE)
書籍デザイン: 渡部伸(SLOGAN)
写真: 井出情児、Simon、小野塚誠、橘卓見、矢田冨士子、鈴木章浩、下家康弘、塚田洋一ほか
図版: 宇川直宏(DOMMUNE)、水野幸司
校正: 富田和枝
表紙ロゴ: 榎本了壱
制作協力: 万代博実
発行: 芥正彦
発売: 2024年4月25日
価格: ¥4,500+税
判型 / ページ数: A4変形、896ページ予定
ISBN: 978-4-909856-10-4
販売: SLOGAN
目次
対談: 宮台真司、浅野典子、志人
芥正彦新作: 『令和の国の舞踏譜』『灰と、灰の灰──老オイディプスの帰還──老いたるものに祖国なし』
トークセッション、執筆: 浅野典子 / 有吉玲 / 岩渕貞太 / 上野森爾 / 太田光海 / 寒川湧太 / 鯨井謙太郒 / 楠城昇馬 / 小白秋 / 西郷マチュリ / 志人 / 澤田純 / たける / 橘卓見 / 西村蒼 / 灰街令 / 橋口亮介 / 平田博満 / 藤井隆太 / 古木獠 / 水野幸司 / 森田潤 / 矢田冨士子 / 楊光耀 / Radio Ensembles Aiidaほか
表紙: 宇川直宏(DOMMUNE)
書籍デザイン: 渡部伸(SLOGAN)
写真: 井出情児、Simon、小野塚誠、橘卓見、矢田冨士子、鈴木章浩、下家康弘、塚田洋一ほか
図版: 宇川直宏(DOMMUNE)、水野幸司
前書きなど
希望の原理──『地下演劇』第7号刊行によせて 芥正彦
60年代、深夜のことだ。
もはや夜明け前の新宿の路上で、ホームレスの妊婦が路上にへたりこみ、空に向かって歌っていた。
しゃがれた声で、存在そのものが悲鳴をあげているような響きだった。
〽子どもが生まれりゃこちらの勝ちさ
街を羊水で溢れさす
ううううううん(陣痛のうめき声)
流れる光、輝く血
みんな見て、太陽が私の卵子なの!
みんな見て、私の赤ちゃん!
私の勝ちよ!
街に羊水が溢れる!
朝日が登ったわ!
新しい光が流れて
新しい血が輝く
......赤ちゃんは幻だった。
しかし実際に太陽は昇ってきた。
宇宙の卵子のように。
50年後、私は『ヘリオガバルス』を自ら上演し、踊った。
あの歌に、私の希望の原理はあったのだ。
今回の『地下演劇』復活、続刊 号のテーマは、この〝希望の原理〞である。
今日の世界は、惑星規模の犯罪のシンジケートが統合され、分散し、また結合される。
すべてが〝利潤追求〞によって正当化され続ける。
世紀は、没国家、没モラル、没ヒューマニズム、の世紀となっている。
すべては、「メディア」「幻想と性欲」「貨幣」「機械」という四辺形のステージで処理されていくだ
け......ユダヤ的砂漠への強制的移動が、急速に進行し始めた(……)