紹介
本書は世界のフライフィッシング界のなかで、現在もっとも注目されているフライタイヤー、バリー・オード・クラークによるフライライイングの基礎教本です。クラークのYouTubeチャンネル「The Feather Bender」の登録者数は5万人を超え、2023年にQRコードでYouTube動画と連動させた画期的なタイイング教本『フライタイイング・テクニック』はわずか1カ月足らずで売り切れてしまいました。
本書『フライタイイング・ザ・ベーシック・スキル』は、これからフライタイイングを始める人にとっての最高の教本であると同時に、美しいフライを巻くための飽くなき探求をつづけるベテランのフライフィッシャーにとっても、最新の基礎タイイング方法を知るための教書となることはまちがいありません。ベテランの比率が高い日本では変化が見えにくいのですが、世界のフライフィッシング界は日々進歩していて、タイイングに関してもマテリアルと手法のどちらも、以前とはかなり異なります。たとえば本書で紹介されているマイラーを使用しないクラークの「ゾンカー」は、かつてないほど簡単に、誰もが美しく巻くことだできるバリエーション・パターンです。沈みやすいフライイングアントを浮きやすくするパターンや、フェザント・テール・ニンフのウイングケースとレッグの取り付け方など、知っていそうで知らない、あるいは知っているけどもできなかったテクニック、そして新しい基本スキルが、YouTube動画と連動して紹介されている本書は、タイイングにマンネリ気味のベテランのフライフィッシャーに大いなる刺激を与えることでしょう。
目次
本書に出てくるフライタイイング用語 6
はじめに 7
この本で使用するマテリアルのリスト 8
この本の使い方 9
フックの各部名称 10
フライの各部名称 12
マテリアルの種類 13-20
タイイングに欠かせない道具 21-25
本書で学ぶタイイングの基本プロセス 26-29
① ゼブラ・ミッジ 31-36
② F・フライ 37-42
③ フェザント・テール・ニンフ 43-50
④ ヘアーズ・イヤ−・ニンフ 51-58
⑤ フライング・アント 59-66
⑥ モンタナ・ニンフ 67-74
⑦ ウーリー・バガー 75-82
⑧ クリンクハマー 83-90
⑨ ゾンカー 91-96
⑩ エルク・ヘア・カディス 97-104
⑪ コパー・ニンフ 105-112
⑫ ヘア・ウイング・ダン 113-120
上達のためのヒント 121-122
索引 123-124
前書きなど
本書はこれからフライタイイングを始めるビギナーにとっては基礎的な教本となるでしょうし、ベテランにとっては最新の基礎スキルを学び直すための再履修教本となるでしょう。
あらゆる物事が時代とともに変遷していくように、フライタイイングも進化をつづけています。30年前にフライタイイングを覚えた人が、1年しかタイイング経験のない人よりバランスの取れた美しい(多くの場合、魚にとって魅力的な)フライを巻くことができるかというと、そうでもないというのが実態だと思います(少なくとも多くのタイイング教室で教えてきている私の目にはそう見えます)。
フライタイイングは1回覚えれば、それで修了するものではなく、常に進化していくものであることを多くのベテランは見過ごしています。ビギナーの頃からヘアーズ・イヤー・ニンフのダビングをうまく左右に張り出すことができないまま放置している人、パラシュート・ハックルが苦手な人、視認性の高い、浮かぶアントを巻くことができない人は、ここらでもう一度自分のタイイング・スキルを見直してみませんか?