目次
城めぐり:歴史と城/城の各施設の名称/城とは/城探訪に際しての注意
【掲載城郭】園田城と園田浦城/多良倉城と鷹見岳城/猿喰城/帆柱城/花尾城/高塔山城と浜田城/門司城/長野城/三岳城砦群/戸畑城(小田村備前守宅所)/上津役要害(竹尾城)/鷲岳城(横代城)/豊前・小倉城/宮山城/浅川城/中島城(若松城)/黒崎城/馬ケ岳城/松山城/笠木城/大坂城/障子ケ岳城/香春岳城/雁股城/伊田原陣/岩石城/神楽城/本庄城/緒方館(緒方城)/内蔵寺城/香春城(鬼ケ城)/東蓮寺城(東蓮寺陣屋)/岡 城
参考文献、あとがき
前書きなど
「城めぐり」より
歴史好きの私には、日本各地に所在している歴史遺産の探訪は楽しいものである。特に、土塁、石垣、堀切、畝状竪堀群などの遺構が残っている、城ないし館に行き着いた時の感激は大きい。標高差三〇〇~四〇〇メートルの登山も一向に苦にならない。
いろいろな人の教えを得、手探りで城・館探訪を重ねるにつれ、その実態が分かるようになり、いつの間にか、歴史解明の資料の一つに城・館を加えることになっていた。
縄張り図作りや資料探しに何度も現地を訪れた。時間を要したが、確実に資料も集まってきた。これもまた楽しいものである。
最近では、縄張り図や諸資料をもとに歴史と城・館を多くの人に伝えたい、との思いが強くなってきた。かといって、これまで探訪してきた城や館をすべて紹介するというわけにもいかないので、戦国時代の社会を凝縮させており、周防国の大内氏や豊後国の大友氏などが守護職を務めた豊前国や筑前国を中心に、国人衆や小在地領主たちが守護大名や戦国大名にどのように対処したかに焦点を当てることとした。
ふるさと北九州、歴史探訪の出発点・京築、それに田川の城や館はそのあたりの事情を私たちに教えてくれるものと思い、戦国史を書き綴ることにした。
城の各施設の名称
城を意味する言葉として、城、里城、砦、切寄、掻揚げ、保障、城郭などが使われ、混乱を感じている方も多いことと思う。さらに各部分の名称も分かりにくいものが多い。城や館の形と名称について理解しておくことが、現地で大いに役に立つと思う。……