目次
                    第1章 保健的観点を踏まえた保育環境及び援助
 1 子どもの健康と保育の環境
  1 保育における保健的環境
  2 保健的環境を作る保健活動
  3 保健活動の実際
 2 子どもの健康に関する個別的対応と集団全体の健康及び安全の管理
  1 個の健康と集団の保健
  2 子どもの健康及び発育発達状態の把握
   1 健康診断と活用
第2章 保育における健康及び安全の管理
 1 衛生管理
  1 屋内施設の衛生管理
   1 保育室
   2 温度・湿度
   3 採光
   4 騒音
   5 乳児の保育施設
   6 手洗い場
   7 トイレ
   8 医務室・保健室(静養や隔離)
   9 飲料水の管理
   10 調理室
  2 屋外施設の衛生管理
   1 屋外遊戯場
    2 砂場・動物飼育小屋
   3 プ-ル
   4 その他の施設外活動での衛生管理
  3 日常の清潔保持と消毒
   1 子どもの清潔
   2 歯ブラシ・歯みがきコップ
   3 おもちゃの衛生
   4 清掃・洗浄と消毒
 2 事故防止及び安全対策
  1 保育中の事故
   1 死亡原因の上位にある不慮の事故
   2 保育中の事故の実際
  2 事故防止と安全対策
   1 要因からの安全対策
   2 安全教育
 3 危機管理
  1 危機管理の意味と目的
  2 危機管理への取り組み方
  3 危機管理の実際
 4 災害への備え
  1 非常災害などへの取り組みの実際
  2 防災計画と避難訓練
第3章 子どもの体調不良に対する適切な対応
 1 体調不良や傷害が発生した場合の対応
 2 子どもに起こりやすい体調不良とケア
  1 発熱
  2 嘔吐
  3 下痢
  4 咳
  5 腹痛
  6 便秘
  7 発疹
  8 頭痛
 3 子どもに起きやすい事故の応急処置
  1 ショック
   1 ショックの徴候
   2 ショックの応急手当
  2 出血と止血法
   1 出血の状況と全身状態の観察
   2 止血の実際
  3 傷の危険性と応急手当
   1 切り傷
   2 刺し傷・咬み傷
   3 すり傷
   4 はさんだ傷・つぶれた傷(挫滅創),打ち身(打撲傷)
  4 頭部外傷・頭部打撲
   1 心配な場合の応急手当
   2 ほぼ,心配がないと思われる場合の応急手当
  5 熱 傷
   1 熱傷の危険性
   2 熱傷の程度
   3 応急手当
  6 熱中症
   1 熱中症が起こる仕組み
    2 環境要因
   3 症状と重症度
   4 応急手当
   5 予 防
  7 異物の誤飲
   1 身のまわりで,よく誤飲されている物
   2 誤飲が疑われる場合
   3 応急手当
  8 目・耳・鼻の異物
   1 目の異物
   2 耳の異物
   3 鼻の異物
  9 突き指・捻挫・脱臼・骨折等
   1 突き指
   2 肘内障
   3 捻挫・骨折・脱臼
  10 鼻 血
   1 応急手当
 4 救急処置及び蘇生法
  1 子どもの救急法
   1 一次救命処置の実際
   2 気道異物の除去
第4章 感染症対策
 1 感染症の集団発生の予防
  1 感染症の予防の基本
  2 保育所内で起こりうる疾患への対応
   1 ウイルス性胃腸炎
    2 食中毒
   3 インフルエンザ
   4 伝染性膿痂疹(とびひ)
   5 伝染性軟属腫(水いぼ)
   6 手足口病
  3 予防接種
   1 予防接種の種類
 2 感染症発生時と罹患後の対応
  1 子どもの様子を観察し,症状の緩和に努める
  2 保護者の指導
  3 感染経路による対応
第5章 保育における保健的対応
 1 保育における保健的対応の基本的な考え方
  1 個々の子どもの健康・安全と保健的対応
  2 保育所全体の健康・安全と保健的対応
  3 子ども自身の健康意識,心身の機能の向上
 2 3歳未満児への対応
  1 乳児の特徴と保健的対応
  2 保健的観点からの1歳以上3歳未満児の特徴
  3 3歳未満児の養護の実際
   1 抱き方・背負い方
   2 子どもの寝かせ方
   3 排泄の世話
   4 食事の与え方
   5 身体の清潔
   6 外気浴
   7 衣服・靴
 3 個別的な配慮を要する子どもへの対応
  1 熱性痙攣,てんかん
  2 アレルギー性疾患
   1 食物アレルギー
   2 気管支喘息
   3 心疾患
     4 腎疾患
   5 内分泌疾患
 4 障害のある子どもへの対応
  1 障害のある子ども
   1 精神発達遅滞  
   2 ダウン症候群(21トリソミー)
   3 肢体不自由児
   4 視覚・聴覚障害
   5 口唇口蓋裂
第6章 健康及び安全の管理の実施体制
 1 職員間の連携
  1  職員間の連携・協働と組織的取組
   1 組織におけるよりよい連携
   2 他の職種との協働
 2  保育における保健活動の計画及び評価
  1  保健計画の作成と活用
   1 保育計画の作成
   2 保健計画の活用
  2  保健活動の記録と自己評価
   1 記録の要点
   2 評価と展開
 3 母子保健・地域保健における自治体との連携
  1  主な母子保健対策と保育
   1 「健やか親子21(第2次)」
   2 母子保健対策
 4 家庭・専門機関・地域の関係機関等との連携
  1  子ども・子育て支援の制度
   1 教育・保育の場の拡充
   2 すべての子育て家庭を対象とした支援
  2  専門機関・地域との連携 
   1  児童虐待防止のための連携
   2 障害等のある子どもに関する連携
   3 小学校との連携
                 
                
                    前書きなど
                     今般の保育士養成課程等の見直しに基づき,ななみ書房では新版を発行するに至りました。子どもを取りまく環境は目まぐるしく変化していて,保育士養成においてはその変化に即応しながら子どもの最善のために尽力できる人材育成の方法が模索されています。
 これまで保育士養成課程においては「子どもの保健Ⅰ」「子どもの保健Ⅱ」の中に,子どもの心理的側面の理解に関すること,精神保健に関すること,乳幼児の養護の実際などかなり多くの事柄が盛り込まれていました。この度の改正により『子どもの保健(講義2 単位)』『子どもの健康と安全(演習1単位)』に再編され,子どもの身体発育・発達の理解や健康状態の把握,疾病や事故の予防や対応など,保育における保健的対応に必要な基礎的事項を学ぶ科目として再編されました。「子どもの保健Ⅰ」「子どもの保健Ⅱ」に含まれていた内容は下記の新設科目や充実を図った科目に再編され,それらの科目とともに子ども理解をすすめることになりました。
「子どもの保健Ⅰ」「子どもの保健Ⅱ」に含まれていた内容の移行及び充実
「保育の心理学(講義2 単位)」
「こども家庭支援の心理学(講義2 単位)」
「乳児保育Ⅰ(講義2 単位)」「乳児保育Ⅱ(演習1単位)」
また,『子どもの保健』『子どもの健康と安全』は改定後の保育所保育指針や「保育所における感染症対策ガイドライン」を始めとした厚生労働省による各種ガイドラインを踏まえて教授することが求められています。それにより学生の皆さんが高い水準の均質化した知識やスキルを身につけることができます。
 保育に関する各種ガイドラインについては,目次の後に意義や概要の一覧表を添付しましたので活用してください。
 新版の著者には新たに,発達に問題のある子どもやその家族の診療を専門としている現役の小児科医,濱口典子先生に参加していただきました。さらに,幼稚園歯科医でもある平岩先生にコラムを書いていただいたことにより学際的になり,より実践力のある学生を育てることができるのではと思います。
 「子どもの保健Ⅰ」「子どもの保健Ⅱ」で初登場したキャラクター,マッシーとココも犬も引き続き頑張っております。また,今回は『子どもの健康と安全』に新キャラクター「まめちゃん」が登場しました。ココも犬やまめちゃんは,関連する他のページを見てより広く,あるいは深く学習することを助けるキャラクターです。
皆様のご協力,ご助言により,新版発行に至りましたことを重ねて心から御礼申し上げます。