前書きなど
はじめに――「まだある。昭和遊園地」へようこそ
子ども時代、バンダイから発売されていた「よいこの遊園地」シリーズというオモチャが大好きでした。ラインナップのなかから好きな遊具だけを選んで、ひとつずつ買い足しながら自分だけの「理想の遊園地」をつくることができるオモチャです。
本書は、このオモチャの遊具集めと同じ感覚でつくられています。あちこちの遊園地で今も稼働しつづけるレトロ遊具を、「これほしい!」「これもイイ!」と独断と偏見でセレクト、それを架空の遊園地に好き勝手に並べてみました。紙の上に完成した「まだある。昭和遊園地」は、絶叫マシンが少なすぎる とか、地味なエレメカがやたらと多いとか、昭和の遊園地の象徴である「ウォーターシュート」がないとか(残念ながら二〇〇五年に絶滅してしまいました)、多少の欠点はあるものの、小さな子どもから大人までが楽しめる「遊園地らしい遊園地」になったと思います。
読者のみなさまも、それぞれの「理想の遊園地」を思い描きつつ、本書をお読みいただければ幸いです。で、「紙上遊園地」でひとしきり遊んだあとは、子ども時代に遊んだ遊園地に実際に足を運んで、「あのころ」のワクワクを探してみてください。