目次
はしがき
序 章 社会保障裁判の展開と権利としての社会保障
第1章 朝日訴訟
1 朝日訴訟10年の闘い
2 朝日訴訟と労働者・労働組合
3 現代の経済社会状況から朝日訴訟の意義を再考する
第2章 堀木訴訟―ひとりのお母さんのねがい
1 「堀木訴訟が拓いた道」
2 若者世代から見た堀木訴訟―ケアの視点から
3 若い世代への伝言―堀木訴訟支援運動に参加した元学生から
4 小川政亮先生 ビデオトーク
5 堀木訴訟への思いとこれから
第3章 障害のある人と裁判
1 行政の周知徹底義務を求めた永井訴訟
2 障害者自立支援法違憲訴訟の本質と経過
コラム① いくつになっても合理的配慮と社会参加を
3 24時間の安心を―介護保障の充実訴訟
コラム② 裁判を振り返って
4 障害者福祉の“年齢制限”―65歳問題のもたらす歪み
コラム③ 提訴三年 私の思い~死の宣告を乗り越えて
コラム④ 浅田さんと共に闘う
第4章 生活保護裁判の新しい波―いのちのとりで裁判
1 生活保護裁判第三の波―相次ぐ勝訴判決
2 社会保障裁判第四の波―生存権裁判の意義と課題
第5章 年金で健康な文化的生活を
コラム① なぜ、年金引下げ違憲訴訟か―経過と現状
1 年金の引下げは憲法二五条一項、二項違反である―違憲訴訟の意義と理論的課題
コラム② 年金引下げ違憲訴訟―どう組織し、運動をすすめ、展望しているか
第6章 課題と展望
社会保障裁判で何をどう闘うか―人権のための闘いで未来を拓く
社会保障裁判年表(1945年~2016年)
あとがき
前書きなど
私たちは、本書の表題を、『社会保障レボリューション―いのちの砦・社会保障裁判』とした。若者をはじめ多くの人々が、闘い、運動そして裁判と聞くと一歩引いてしまう。そんな時代にあえてレボリューションすなわち革命を掲げたのは、改憲、「戦争法」そして「共謀罪」と戦前を思わせる時代状況に対する危機感からである。
(中略)
本書は、2015年11月1日、神戸で開かれた堀木訴訟提訴四五周年集会を契機としている。原告、弁護士、労働組合はじめ支援者・団体・研究者、専門家等全国から参集した人々が異口同音に語ったのは、朝日訴訟・堀木訴訟に代表される社会保障裁判の輝かしい歴史を懐かしみ、たたえるだけでなく、過去の運動に学び、教訓をくみ尽くし、現代に生かす、そのためのテキストが欲しい、ということであった。本書は、この声に応えるべく編まれた、その意味で、社会保障「革命」・レボリューションのための手引書にほかならない。