前書きなど
「ごはんとおかずのルネサンス」改訂に寄せて―――
本書を初めて手にとる人は、「何故パティシエが日本の家庭料理を?」と思われることでしょう。しかしこれは私にとって少しもおかしいことではありません。日本人もフランス人でも、身体と心の健康のため、そして人と人とを結ぶために食べるのです。それぞれが住む国の気候、風土、そこで算出される産物によって、作られる料理・菓子の味わいは大きく異なります。しかしこれらはほんの薄皮一枚の違いであり、それを取り払えば人類共通の「真のおいしさ」があると思います。そして私は日本的なものとフランス的なもの、二つのおいしさを知った後に、香り、食感、味が可能な限りしっかりしたフランス的な味わいの食べ物の方が普遍的で本質的なおいしさなのではないか、と考えるようになりました。
2003年に『ごはんとおかずのルネサンス』を発刊し、驚いたのは、私の予想をはるかに超える、この料理の実践者からの反響の声でした。食べ始めると、殆どの人の顔のくすみがとれ、肌が白さを増し、艶と明るさが出てきます。短期間で便秘や冷え症は改善され、体温が上昇します。そして99%治らないと言われた不治の病の潰瘍性大腸炎、病院に行っても一向に改善されないアトピー性皮膚炎、じんましん、花粉症、アレルギー、自己免疫疾患、その他多くの不調が、完治または大幅に改善されたのです。さらに、ずっと不妊症や流産の繰り返しで子供が出来なかった方々も、とても元気な赤ちゃんを産みましたし、かなり重度の癌患者の方も進行を停止または抑制されました。この「ルネサンスごはん」で、今も元気な方がさらに数を増やそうとしています。
弓田亨