目次
序 3
執筆者一覧 5
第1章 森林リモートセンシング(加藤 正人・飯坂 譲二) 15
1.本書の目的 16
2.森林の現状と課題 16
(1)背 景 16
(2)近年の課題 16
3.森林リモートセンシングの役割 17
(1)定 義 17
(2)利 点 17
4.森林リモートセンシング研究の歴史 18
(1)写真技術 18
(2)空中からの写真撮影 19
(3)人工衛星の開発 21
(4)森林分野で利用されている人工衛星 22
(5)日本の森林リモートセンシングの発達 23
(6)日本の森林リモートセンシング研究と出版物 25
5.研究動向 27
6.日本の森林リモートセンシングの課題29
(1)人工衛星 29
(2)技 術 29
(3)人材育成と教育 30
7.日本の森林リモートセンシングの対応30
(1)研究水準を世界標準にする 30
(2)教材と教育者、人材養成システムの構築 3
(3)日本の独自技術 31
第2章 リモートセンシングの基礎(阿部 信行) 33
1.リモートセンシングの概念 34
(1)人工衛星リモートセンシンング 34
(2)デジタル情報 34
2.電磁波の性質と波長帯域 36
(1)電磁波の性質 36
(2)電磁波の波長帯域 36
3.熱放射 38
(1)黒体放射 38
(2)プランクの放射法則 39
(3)熱赤外バンドの輝度値から地表温度に変換する方法 40
4.物体の分光反射特性42
5.衛星画像を見る基礎44
(1)白黒画像 44
(2)シュードカラー画像 4
(3)合成カラー表示 44
6.森林分野での利用 46
第3章 空中写真(加藤 正人) 49
1.演習作業の準備 50
(1)演習の組み立て 50
(2)演習作業の準備 50
(3)機材の配置 50
(4)空中写真の購入 50
2.空中写真の基礎知識52
(1)空中写真とは 52
(2)空中写真の撮影間隔 52
(3)撮影注記と撮影記録証明書 54
(4)単写真の性質 54
(5)組写真の性質 56
3.空中写真の立体視(演習) 56
(1)立体視 56
(2)点の移写 56
(3)肉眼立体視 58
(4)現地の立体写真 60
4.地形と林相の判読60
(1)地形判読 60
(2)林相判読 62
(3)樹種判読 62
(4)テンプレート 62
(5)オルソフォト(正射写真図) 67
(6)オルソフォト画像 67
第4章 人工衛星とセンサ(伊藤 恭一) 67
1.人工衛星 68
2.ALOS(だいち) 70
(1)ALOS(だいち)の主要諸元 70
(2)ALOS(だいち)搭載センサ 70
(3)パンシャープン画像 72
3.センサ 72
4.データの提供(入手方法) 74
(1)データの価格 74
(2)有効データ 74
(3)データ・デリバリー 74
第5章 樹木の反射特性(加藤 正人) 79
1.地上観測 80
(1)樹木の反射特性の調べ方 80
(2)樹葉の分光反射 80
(3)生立木の測定 84
(4)針葉樹の測定 86
2.衛星観測 88
(1)森林の分光反射特性の調べ方 88
(2)衛星観測 88
(3)衛星データ利用の問題点と誤分類 92
第6章 グランドトゥルースと利用できるデータ(松英 恵吾) 95
1.グランドトゥルース96
(1)GPS(Global Positioning System) 96
(2)GPSカメラ 97
2.森林調査98
(1)森林計測法 98
(2)その他の調査法 99
3.利用できるデータ 100
(1)空中写真 100
(2)数値地図 100
(3)生物多様性情報システム(環境省生物多様性センター) 100
(4)国土数値情報(国土交通省) 100
(5)森林簿・森林調査簿 101
(6)クリアリングハウス 101
(7)Google Earth 101
第7章 画像処理(1)入力・補正(村上 拓彦) 103
1.入 力 104
2.大気補正 106
(1)放射伝達方程式を利用する方法 106
(2)画像データ自身を利用する方法 108
3.幾何補正 108
4.地形効果補正 112
第8章 画像処理(2)変換、特徴抽出(松英 恵吾) 117
1.カラー合成118
(1)シュードカラー表示 118
(2)HSI変換・逆変換 118
2.画像強調 120
(1)濃度変換 120
(2)空間フィルタリング 122
3.主成分分析・テクスチャ解析124
(1)主成分分析(Principal Component Analysis:PCA) 124
(2)テクスチャ解析 124
4.植生指数 128
(1)NDVI(Normalized Difference Vegetation Index:正規化植生指数) 128
(2)PVI(Perpendicular Vegetation Index) 128
(3)GVI(Green Vegetation Index) 130
(4)パターン展開法 130
(5)各指標と林分因子との関係 130
第9章 画像処理(3)変換、分類(村上 拓彦) 133
1.分類の方法134
2.教師無し分類 134
3.教師付き分類 136
(1)多次元レベルスライス法(multi level slice method) 138
(2)最尤法(maximum likelihood method) 138
4.オブジェクトベースの分類 140
5.分類精度 142
第10章 応用(1)画像判読 145
1.地形判読(竹島 喜芳) 146
(1)分解能と地形の見え方 146
(2)太陽方位と地形の見え方 146
(3)太陽高度と地形の見え方 146
2.林相判読(竹島 喜芳) 148
(1)林相判読のための画像合成 148
(2)高分解能衛星画像と林相 148
(3)IKONOSフォルスカラー画像で見る林相の季節変化 148
(4)林相判読 150
3.単木判読(加藤 正人) 152
(1)背景と目的 152
(2)調査地と使用したIKONOS画像 152
(3)判読の判定 152
(4)判読結果 152
第11章 応用(2)樹種分類 157
1.針葉樹人工林(北海道)(加藤 正人) 158
(1)背景と目的 158
(2)調査地と衛星データ 158
(3)分類結果 160
2.スギ人工林(北陸)(阿部 信行) 162
(1)対象地域 162
(2)対象地域の森林概況 16
(3)分類手法 162
(4)分類結果 162
3.ブナ天然林(北陸)(阿部 信行) 164
(1)対象地域 164
(2)対象地域の森林概況 164
(3)分類の実行 164
(4)分類結果 164
4.スギ・ヒノキ人工林、広葉樹林、竹林(九州)(村上 拓彦) 166
(1)対象地および使用データ 166
(2)解析方法 166
(3)結果および考察 166
5.針広混交林(北海道)(加藤 正人) 168
(1)背景と目的 168
(2)調査地と使用したIKONOSデータ 168
(3)解析結果 170
(4)まとめ 172
6.林相区画(オブジェクト)( 和田 幸生) 174
(1)背景と目的 174
(2)調査地と使用データ 174
(3)分類方法と結果 174
第12章 応用(3)森林環境 179
1.貯留炭素量の推定 (阿部 信行) 180
(1)背景と目的 180
(2)使用した衛星データ 180
(3)炭素貯留量の推定方法 180
(4)森林簿との比較 180
2.森林水文(戎 信宏) 182
(1)背景と目的 182
(2)NDVIと森林の蒸発散散量の関係 182
3.湿原と森林化(松英 恵吾) 184
(1)使用したデータ 184
(2)解析手法 184
(3)結 果 184
4.森林バイオマス(望月 貫一郎) 186
(1)森林バイオマスの現状 186
(2)森林現況の把握 186
5.樹葉のクロロフィルと含水量(稲村 實) 188
6.ギャップと更新(笹川 裕史) 190
(1)資料および方法 190
(2)結果および考察 190
7.生息域(笹川 裕史) 192
(1)資料および方法 192
(2)結果および考察 192
8.樹葉の分光偏光度特性(稲村 實) 194
第13章 応用(4)森林の物理量197
1.樹冠位置(古家 直行) 198
(1)単木樹冠 198
(2)樹冠位置の抽出 198
2.樹 冠(古家 直行) 200
3.立木本数密度(スギ・ヒノキ人工林)(古家 直行) 202
(1)背景と目的 202
(2)調査地と使用した衛星データ 202
(3)立木密度推定手法 202
(4)解析結果および考察 202
4.樹冠疎密度(針葉樹人工林)(加藤 正人) 204
(1)背景と目的 204
(2)調査地と衛星データ 204
(3)空中写真から最小区画(30m×30m)ごとに疎密度を求める 204
(4)解析結果 206
5.きめ(Texture)(村上 拓彦) 208
(1)同時生起行列 208
(2)実際の画像での比較 208
6.樹高(LIDAR)(秋山 幸秀) 210
(1)LIDARによる樹高とデータモデル 210
(2)LIDARによる樹高の精度 210
(3)課題と将来性 212
7.材積(スギ人工林)(阿部 信行) 214
(1)背景と目的 214
(2)衛星データから材積の推定 214
(3)利用分野 214
8.材積(スギ・ヒノキ人工林、広葉樹林)(村上 拓彦) 216
(1)対象地および使用データ 216
(2)方 法 216
(3)結果および考察 216
第14章 応用(5)経年変化、災害モニタリング 219
1.伐採地抽出(インドネシア・カリマンタン)(露木 聡) 220
(1)インドネシア中カリマンタン100万ha水田開発計画 220
(2)植生変化の抽出 220
2.森林火災(インドネシア・カリマンタン)(露木 聡) 222
3.森林火災(北海道西興部村)(加藤 正人) 224
(1)背景と目的 224
(2)火災発生と経過 224
(3)使用した衛星画像 224
(4)衛星画像の解析 226
(5)実利用への課題と対応 226
4.風倒被害(北海道十勝地方)(菅野 正人) 228
(1)解析方法 228
(2)結果と考察 228
(3)課題とまとめ 228
5.噴火被害(北海道有珠山)(菅野 正人) 230
(1)使用したデータ 230
(2)解析手法 230
(3)結 果 230
(4)まとめ 230
6.マツくい虫被害(新潟県巻町)(阿部 信行) 232
(1)背景と目的 232
(2)被害率とNDVI値との関係 232
(3)PAN画像による目視 232
(4)被害面積の推定と分類結果の検証 232
7.経年変化(アジア東部地域)(和田 幸生) 234
(1)背景と目的 234
(2)SPOT/VEGETATION 234
(3)使用データ 234
(4)1年間合成データS365の作成 234
(5)タイムシリーズ画像による季節変化 236
(6)2時点のカラー合成による森林の変化 236
(7)まとめ 236
8.豪雨被害(北海道日高地方)(菅野 正人)238
(1)使用したデータと解析方法 238
(2)結果と残されている課題 238
(3)まとめ 238
9.地震被害(新潟県(旧)山古志村)(阿部 信行) 240
(1)背景と目的 240
(2)解析対象地 240
(3)使用した衛星 240
(4)震災前後の衛星シーン 240
(5)崩壊地の抽出 24
(6)森林被害図 240
第15章 応用(6)ALOS(だいち)衛星 243
1.大径木の樹冠識別(長野県)(加藤 正人) 244
(1)背景と目的 244
(2)調査地と使用したデータ 244
(3)解析手法
(4)分類結果 244
(5)まとめ 244
2.海岸林の現状分析(新潟県)(阿部 信行) 246
(1)背景と目的 246
(2)使用した衛星 246
(3)解析方法 246
(4)解析結果 246
3.海岸林のモニタリング(新潟県)(阿部 信行) 248
(1)背景と目的 248
(2)使用した衛星 248
(3)解析方法 248
(4)解析結果 248
4.AVNIR-2データを使った山火事の被害調査(弓場 憲生) 250
(1)背 景 250
(2)使用したデータと解析方法 250
(3)結 果 25
(4)まとめ 250
5.風倒被害(北海道下川町)(菅野 正人) 252
(1)対象地と解析手法 252
(2)結 果 252
(3)考 察 252
6.パンシャープン画像(宮崎県)(村上 拓彦) 254
第16章 応用(7)自治体利用例257
1.岩手県(空中写真)(小原 修・賢木 裕) 258
(1)導入経過 258
(2)森林資源管理システム概要 258
(3)簡易デジタルオルソフォトの活用 258
(4)導入効果 260
(5)課 題 260
2.熊本県(中解像度)(松村 慎也) 262
(1)利用の経緯 262
(2)作業の流れ 262
(3)データの精度 264
(4)まとめ 264
3.岐阜県(高解像度)(平井 實) 266
(1)はじめに 266
(2)課題とその解決方法 266
(3)森林地域とその他地域の分類 266
(4)森林地域内の樹種分類(スギ・ヒノキ・広葉樹) 268
第17章 森林GIS271
1.民有林(北海道一般民有林)(菅野 正人) 272
(1)概要と特徴 272
(2)課題と今後の展望 272
2.国有林(岡村 篤憲) 274
(1)国有林GISの概要 274
(2)使用するエンジン 274
(3)地図データ 274
(4)属性データ 274
(5)活用方法(事例) 274
(6)今後の課題等 276
3.都道府県有林(望月 貫一郎) 278
(1)都道府県有林管理の現状 278
(2)今後の都道府県有林管理 278
(3)都道府県有林管理システムの機能 278
(4)都道府県有林の環境保全対策 280
4.北海道有林(加藤 正人) 282
(1)背景と目的 282
(2)システム開発の経緯と導入 282
(3)衛星データ利用森林GISの開発 284
(4)システム導入の評価 284
5.市町村有林(北海道北広島市)(対馬 俊之) 286
(1)市町村の森林GIS 286
(2)北広島市の概況とGIS導入目的 286
(3)GISの概要 286
(4)導入効果と課題 288
6.森林組合(福岡県浮羽森林組合)(坂本 勝司) 290
(1)背景と目的 290
(2)GISの導入経緯 290
(3)GISの概要 290
(4)導入効果と課題 292
第18章 これからの観測295
1.航空機搭載型センサ(望月 貫一郎) 296
(1)航空機搭載型センサの現状 296
(2)航空機搭載型デジタルマルチラインセンサ296
(3)航空機搭載熱赤外センサ 296
(4)ハイパースペクトルセンサ 298
(5)航空機搭載型センサデータの利用 298
2.LIDAR(秋山 幸秀) 300
(1)レーザー計測の歴史 300
(2)LIDARシステムの構成と計測方法 302
(3)データの加工と調査事例 302
3.GPS(露木 聡) 304
(1)GPSとは 304
(2)GPSによる測位法 304
(3)森林におけるGPS利用 306
4.ハイパー(加藤 正人) 308
(1)背景と目的 308
(2)Hyperion 308
5.利用分野の拡大と展望(村上 拓彦)310
付 録 313
1.引用・参考文献 314
2.リモートセンシング衛星一覧、販売価格(伊藤 恭一) 332
3.世界のウェブサイト(データ検索サイト)(伊藤 恭一) 333
4.衛星リモートセンシング推進委員会林業ワーキンググループ 334
(1)衛星リモートセンシング推進委員会活動 334
(2)林業ワーキンググループ(WG)の活動 334
5.大学で開講している森林リモートセンシングのシラバス336
北海道大学 336
宇都宮大学 336
東京大学 337
東京農工大学 33
東京農業大学 339
日本大学 340
新潟大学 341
信州大学 342
名古屋大学 343
三重大学 344
京都大学 344
京都府立大学 345
愛媛大学 346
高知大学 346
鹿児島大学 347
6.専門研修のシラバス349
日本森林技術協会(森林情報士) 349
日本森林技術協会(森林情報士養成研修) 350
林野庁森林技術総合研修所 351
7.索 引352
前書きなど
「改訂版の刊行にあたって」から
本書の初版を出版してから、3年が経過した。お陰さまで、森林リモートセンシングに関心を持つ方、技術者や研究者の方々に利用され、大学の講義や森林・林業技術者用の専門研修でも使われて、初版は完売した。今回の改訂にあたっては、森林リモートセンシングに関する正しい情報を網羅して充実することを念頭に置いた。テキストとして使用される中で説明の足りなかった森林リモートセンシングの目的や歴史を第1章、海外で使用されているテキストと比較すると欠けているCO2や森林バイオマスなどの森林環境を第12章に加えた。さらに初版の執筆者には、日進月歩の技術ゆえに加筆・修正をお願いした。2006年1月に国産の陸域観測衛星ALOS(だいち)の打ち上げが成功した。観測範囲も広く、安価なことから利用推進が期待できる。そこで、ALOSデータの概要説明を第4章に追加し、ALOSの利用事例について第15章に記載した。勉学を志す方の役に立てれば幸いである
2007年4月
執筆者を代表して 加藤 正人