目次
NATO拡大が作ったプーチン戦争の悲劇
下斗米 伸夫(神奈川大学特別招聘教授)
特集1 揺れ動く世界―帰国危機そしてウクライナ・台湾・琉球弧
COP26とグリーン・ニューディールのねらい
旧態依然の日本政府と危機感が薄い国民意識
明日香壽川(東北大学東北アジア研究センター・同大学院環境科学研究所教授)
〔ミャンマー〕国軍独裁に統一民主政府の樹立で対抗
都市部の非暴力・不服従・抵抗運動に周縁部少数民族が合流
中嶋 滋(元ILO理事・ITUCミャンマー事務所長・CTUM顧問)
「復帰50年」沖縄のいま
名護市長選挙結果とオール沖縄の試練
小林 武(沖縄大学客員教授)
日中国交正常化50年 新「暴支膺懲」の時代
歴史の省察と日中関係の再構築・東アジアの平和へ
木村 知義(北東アジア動態研究会主宰)
明治国家興亡の77年と戦後77年
沖縄を「令和の防人」にさせるな、尖閣諸島は「国際入会地」に
内田 雅敏(弁護士)
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日大の事件に思う―1968年から半世紀余
「日大の歴史」 に日大闘争が記録されるまで闘う
三橋 俊明(元日大全共闘・評論家)
もう一つの焦点―福島の被災者への二重課税
被災地と避難先の双方で固定資産税
伊藤 久雄(NPO法人まちポット理事)
1・8ソウル中央地裁判決1周年によせて
日本国憲法の主権原理と日本軍「慰安婦」問題
森田 成也(大学非常勤講師)
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特集2 コロナ禍で健康と暮らしと街の風景が変わった
コロナ・医療崩壊・病院システムの危機
病院は地域を耕し地域に築く命の砦
阿部 とも子(衆議院議員・立憲民主党)
感染症対策で蚕食される自治体権限―強まる集権化
地方政府と市民はデモクラティック・シティーへ挑戦する
阿部 裕行(多摩市長)
雇用調整助成金が大きな役割を果たした
非正規労働者は労働時間減少・収入減・家計赤字
高橋 康二(独立行政法人労働政策研究・研修機構主任研究員)
見たこともない閑散とした国際通りの風景
ウィズ・コロナに柔軟に変化できるのだろうか
河合 民子(作家)
他
前書きなど
ヨーロッパに戦争に戦争がもどってきた。プーチン・ロシアのウクライナ侵略戦争は当事者の思惑を超えて、ヨーロッパ全体の地政学的枠組みを爆破する可能性を持っている。どのような軍事大国であろうとグローバルな市民社会の反戦平和への長い闘いの歴史を逆転させることは出来ない。プーチンはなぜこのような蛮行に踏み込んだのか、この解明は大きなテーマである。
1991年東西冷戦が終了したとき「ヨーロッパ共通の家」という言葉が広がった。東西ヨーロッパの和解と共存への期待が祝福された時期があった。あれから30年。「ヨーロッパ共通の家」という問題領域はもはや存在しないのであろうか。やはり無理かなと思う反面、何とかならないかと思う気持ちは消せない。
編集長・山田勝