紹介
「ゴシック」を知ることは、「反理性としての闇」を知ることだ。そしてそれを愛でることは、闇=不安や恐怖、そして絶望を手なづけるひとつの術だ。近年、ゴシックや恐怖に関する出版物が目につくが、それは社会に、不安や恐怖が広がっている証左であると言えるかもしれない。だからこそ、ゴシック精神を持ち続けよう。ゴシックの源流から、ゴシックの精神を受け継いだ現代の作品まで、いま再びゴシックを多様な視点から照射する。ゴシック精神は不滅だ!★特集以外にも、書評、映画評、舞台評、展覧会紹介、エッセイなど満載です!【主な内容】◎ゴシック精神とは何か〜反理性の闇を愛でよ◎ゴシック作品に通底する精神とは?〜唐戸信嘉『ゴシックの解剖 暗黒の美学』◎闇の世界への誘惑者としてのドール=衣×森馨/ALICE×DOLL展/ヒロタサトミ/Velvet Knot Doll Exhibition/遠山涼音◎田村幸久〜修羅と鬼が殺し合う悪夢的ビジョン◎SRBGENk〜血塗れたボディアートとオカルト的ダークネス◎ゴシック建築小考◎ゴシックと廃墟美について◎最新の身体改造が集うベルリンでの国際会議BMX◎Black Veil Children〜TAIKI氏のゴスカルチャーの洗礼を受けて◎楽しい地獄で夜遊びを!〜キャバレー・ドゥ・ランフェール◎破滅を生きる地雷系女子◎茶番と化したゴシック的恐怖〜ラース・フォン・トリアー「キングダム」◎クラシックに回帰するゴシックホラー映画◎ゴシック的頽廃美を秘めた『オペラ座の怪人』の魅力◎精霊と交感する少女〜映画『ミツバチのささやき』とフランケンシュタイン◎クィアでフリークな南部ゴシック〜『風と共に去りぬ』から『ノーカントリー』まで◎シェヘラザードは何を語ったか〜『千夜一夜』とそのゴシック化◎ゴシックホラーの3大モンスターは、こうして生まれた◎倉阪鬼一郎のゴシック俳句・短歌ワールド◎時代を経てなお輝きを増すゴシック・ジュブナイル〜ルイスと不思議の時計シリーズ◎山野浩一のネオゴシック論〜二十世紀の前衛文学を包括的に名ざすことほか
目次
■闇の世界への誘惑者としてのドール
◎衣×森馨〜愛らしさやエロスで異界へといざなう
◎ALICE×DOLL展〜アリスの世界で遊ぶ人形たち
◎ヒロタサトミ
◎Velvet Knot Doll Exhibition 2023〜歴史ある洋館で人形と非日常を
◎遠山涼音〜自分だけの舞台が始まる
■三浦悦子の世界〈30〉[Medical BOX]
■「DOLLS―秘めたるものの形―」他〜内に秘めたものの愛おしさ
■田村幸久〜修羅と鬼が殺し合う悪夢的ビジョン
■SRBGENk〜血塗れたボディアートとオカルト的ダークネス●ケロッピー前田
■mizunOE・星レン・川島まひろ・霧生まどか〜悪夢がもたらす安寧
■村田兼一〜死と戯れる少女たち
■こやまけんいち〜無垢で残酷な御伽の世界
■ゴシック精神とは何か〜反理性の闇を愛でよ●沙月樹京
■ゴシック作品に通底する精神とは?〜唐戸信嘉『ゴシックの解剖 暗黒の美学』●梟木
■クィアでフリークな南部ゴシック〜『風と共に去りぬ』から『ノーカントリー』まで●浦野玲子
■シェヘラザードは何を語ったか〜『千夜一夜』とそのゴシック化●仁木稔
■ゴシックは生きている〜ゴシック建築小考●志賀信夫
■不気味で神秘的なゴシック世界に没入〜アクションRPG「Bloodborne」●さえ
■ゴシックと廃墟美について〜人はなぜ、廃墟とそのカタストロフに美を重ね見るのか●待兼音二郎
■ジョサイア・コンデルの、和ゴシックへの挑戦●橋本純
■茶番と化したゴシック的恐怖〜ラース・フォン・トリアー「キングダム」完結に寄せて●高槻真樹
■クラシックに回帰するゴシックホラー映画●浅尾典彦
■ゴシック的頽廃美を秘めた『オペラ座の怪人』の魅力●並木誠
■精霊と交感する少女〜映画『ミツバチのささやき』とフランケンシュタイン●宮野由梨香
■楽しい地獄で夜遊びを!〜キャバレー・ドゥ・ランフェール●あや野
■破滅を生きる地雷系女子●相良つつじ
■ボディハッキングを世界に広めた、最新の身体改造が集う会議!〜ベルリンでの国際会議BMX●ケロッピー前田
■Black Veil Children〜TAIKI氏のゴスカルチャーの洗礼を受けて●Guiggles
■四方山幻影話55●堀江ケニー/モデル:沙夜
■こやまけんいち絵本館53「電話」●こやまけんいち
■《コミック》 「ソーイングスター」●eat
■《小説》 ダークサイド通信no.12「仮想の館」●最合のぼる
■一コマ漫画●岸田尚
■ゴシックホラーの3大モンスターは、こうして生まれた●鈴木一也
■倉阪鬼一郎のゴシック俳句・短歌ワールド●日原雄一
■時代を経てなお輝きを増すゴシック・ジュブナイル〜ルイスと不思議の時計シリーズ●水波流
■山野浩一のネオゴシック論〜二十世紀の前衛文学を包括的に名ざすこと●岡和田晃・前田龍之祐
■ REVIEW●トビラ絵:村祖俊一「闇の救済」
◎キャサリン・スプーナー「コンテンポラリー・ゴシック」●市川純
◎シルヴィア・モレノ=ガルシア「メキシカン・ゴシック」●梟木
◎古屋兎丸「1985年のソドム」●日原雄一
◎「幽霊綺譚〜ドイツ・ロマン派幻想短篇集」●岡和田晃 ほか
■立体画家 はが いちようの世界42〜ピエールの荷馬車●はが いちよう
■TH RECOMMENDATION
◎スティーヴン・フリアーズ監督『ロスト・キング 500年越しの運命』〜自分を探す旅が、やがて歴史を動かす●岡和田晃
◎「EROS―美と快楽の闇を彷徨うものたち」〜エロス表現の探究者たち
◎Poppy purrs factory 個展「A Better Self」〜大胆不敵なエロスのパワー
◎萌木ひろみ 個展「孤闘の楽園」〜谷崎潤一郎の世界を耽美に描く
◎「境界としての、ひと、情景」「文字の視想」〜自他の境界または文字の先鋭
◎根橋洋一 個展「遠い記憶の内側」〜妖艶な少女の住まう緻密な幻想世界
◎虚×廃店長「Heaviness & Madness」〜ダークで頽廃的な世界に浸る
◎ギャラリー湯山2023・秋企画展 “FINAL”他〜石川雷太、羅入が芸術祭に参加
◎「鉛筆のドラキュラ」がDVDに
◎阪本知プロデュース公演#4「サラサーテの盤」〜形を変えていく思い出
◎「うつくしく総天然色」〜「渦とチェリー新聞」ゆかりの作家たちが集合
◎陰翳逍遥52〜「私たちは何者? ボーダレス・ドールズ」展、「甲斐荘楠音の全貌」●志賀信夫
■TH FLEA MARKET
◎愚か者たちへ花束を〜THE FOOLSの生と死、そして……●八本正幸
◎カノウナ・メ〜可能な限り、この眼で探求いたします/第53回 SHINSEI〜youたちはどう生きるのか?●加納星也
◎よりぬき[中国語圏]映画日記/1秒先の彼女&彼〜陳玉勲喜劇の一生懸命だけど報われない暗さ●小林美恵子
◎ダンス評[2023年7月〜10月]/ダンスとパフォーマンスの間〜川口隆夫、川村美紀子、三浦一壮、藤田真之助、三好彼流、立石裕美、木部与巴仁、小松亨、川村浪子、田辺知美●志賀信夫
◎「コミック・アニメ・ゲーム」×ステージ評/あの日みた花の名前を僕達は知らない。、宇宙戦艦ティラミス、アシガール 他●高浩美
◎身体改造の未来を予言!〜クローネンバーグ80歳の新作はボディホラーの巨匠の勝利宣言●ケロッピー前田
◎「天才は狂気なり」という学説を唱え、犯罪人類学を創始した奇矯な精神病理学者チェーザレ・ロンブローゾの思想とその系譜〈50〉●村上裕徳
◎山野浩一とその時代(25)/「遊びとしてのSF」の徹底と、だまし絵のアイデンティティ●岡和田晃
◎オペラなどイラストレビュー●三五千波
◎東京の流刑地(4)ジブリ・ゴシック●大黒堂ミロ
◎TH特選品レビュー
■表紙=写真/堀江ケニー、モデル:沙夜